作ったボードゲームの名前の由来
おはようございます!
母の名前が康子で、合わせて読むと、“健康な吾(われ)の子”になるという由来で名付けられた大塚健吾です。
このnoteを手術費40万円を払えるように応援してもらいたい!というきっかけで始めたぐらいで、なかなかに不健康です。残念ながら名前負けです。
改めまして、ボードゲームデザイナー・放送作家をしています。
『理想の納豆』 『行けたら行くよ!』 『ギリギリカレー』『ブックメイカーズ』そして、『シノミリア』を作りました。
……と、毎回作ったボードゲーム作品のタイトルを並べてますが、
今回はそれらのタイトルをどう考えたのかを思い出して書いてみようと思います。
あれなんですよ。noteのハッシュタグで。
というのを見つけて。
それで書いてみようと思いました。
“健吾”じゃないけど、やっぱり本当に作品は我が子も同然なので、
毎回結構悩んで決めています。
「芸術作品はタイトルが一番大事」とかひねくれたこと言う人もいるくらいで。ホント難しいです。
『理想の納豆』
え~と、ですね。
誤解を恐れず、ぶっちゃけて言うと、
わりと適当に決まりました。
“人数分の納豆パックがあって、そこに好きなトッピングを足して、いい感じに混ぜる。そして、最も自分好みで、ちょうど良く混ざっている納豆取って食べる”
というゲームシステムが決まったあたりで企画書としてまとめなくてはならなくて。
その表紙にゲームタイトルを書かなくては!ってなって仮に入れていたのが『理想の納豆』というタイトルでした。
漫画『かくしごと』の中に描かれている漫画あるあるですね。
「(仮)として仮題で呼び続けている名前にだんだん愛着が湧いて、結果そのままそれになる」
っていう。
企画書に書くときも
「“納豆”は入るよなぁ?じゃ、何?“究極の納豆”“至高の納豆”?いやいやい、『美味しんぼ』から離れないと。じゃ、“理想の納豆”か。ん~、もうちょいゲームっぽさを出した方がいいのか?いや、違うわ!むしろ、ゲームっぽさとか余計でしょ!必要なのは納豆っぽさだけでしょ!!」
という思考で表紙に大きな文字で“理想の納豆”と書いたのでした。
結果的に
「各々が自分に取っての理想の納豆を作って取り合うゲームです!」
と、タイトルを使ってゲーム紹介ができるので、今でもいい名前だと思います。
『行けたら行くよ!』
原作の名台詞をから取っています。
『まじめ系クズの日常』という漫画が大好きで。
作者のナンキダイ先生にコンタクトを取って制作しました。
“学校のあらゆるイベントに参加するのはめんどくさいからサボりたいが、表立ってサボると周りから嫌われる。そこそこのスクールカーストを維持しつつ手を抜けるところではできる限り手を抜いて誰よりも楽に学校生活を過ごそう!”
原作の主人公である真島九澄の行動原理をそのままゲーム化した作品で、それが伝わりやすいタイトルを……と結構悩みました。
“クズ”の部分に焦点を当てて、そこのでのバトルというイメージのタイトル案もありましたが、“まじめ系クズ”という原作のパワーワードを使わずに一言でそれを表現できるものを!と考えて行き着いたのがこのタイトルでした。
ナンキダイ先生の絵と合わせて、パッケージから受ける印象がものすごく悪いところがお気に入りです。
この表情で遊びたい!
『ギリギリカレー』
(仮)がそのまんまいけちゃったパターンです。
依頼があって、アイデア出して、打ち合わせの日取り的に一度もテストプレイすることなくプレゼンしに行ったのをよく覚えています。
そのとき言ったタイトルが“ギリギリカレー”だったし、
“愛情”のカードにはなぜかフレーバーテキストの“重い”の一文が入っていました。
(余談ですが、プレゼンは基本そういう“余裕”が一番大事かもしれません)
クライアント的に『理想の納豆』のようなシステムのゲームを考えて欲しいということでしたが、タイトルの意味が、プラス面を表現する“理想”から、ややマイナスのイメージがある“ギリギリ”になってるのが興味深いです。
(興味深いって表現にしてるのはホントに無意識だからです)
改めて考えると“ギリギリ”はゲーム性をわりと正確に捉えた表現であり、なるほど、コレ以外にはない!という感じがしますね。
『ブックメイカーズ』
ダジャレです。
“トーナメントの優勝者を予想して賭ける”というブックメーカーと、
“そんなトーナメント編があるバトル漫画という本を作る”というブックメイカーを掛けています。
このタイトルはなかなか決まらず、結構悩んでいました。
テストプレイ中、プレイヤーが前者の意味でのブックメーカーを口にしていたのを見て、このタイトルでいいだろうと決めました。
あ、“ズ”と“S”が付いているのは「一人じゃねぇっていう意味」とかではなく、あまりに一般名詞なので混乱を避ける為に付けたって感じです。
あと、いわゆるジャンプ漫画のトーナメントという雰囲気のボードゲームなので、週刊少年ジャンプ好きである漫画のキャラクター『めだかボックス』の球磨川禊くん。
彼の過負荷である『却本作り(ブックメーカー)』との被りは意図したものではないけど、ちょっと嬉しかったです。
今まで、タイトルはかなり直接的に付けていて、この『ブックメイカーズ』は少しひねったもので、伝わるかどうか不安もありました。
なので、サブタイトルに“先読みバトルトーナメント”の一文を入れていただきました。
(今の自分なら入れません)
改めて、この名付けは本当に全力投球って感じがしますね。
どっかでまた、こういう名付けをしたいです。
『シノミリア』
『ブックメイカーズ』以後、コピーライターさんの本とか読み漁りました。
なので、“シノミリア”はかなり考えてタイトルを決めました。
具体的な方向性はコレです。
“なんかわけわかんない意味わからんタイトルを付けよう”
コレだけわりとすぐに決まりました。
……ああ、もう1個条件がありました。
“とにかく超カッコイイタイトルにしよう”
この“とにかく超カッコイイ”は『シノミリア』に全て制作テーマですね。
よく話していた例えで、
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服屋さん行って、めちゃくちゃカッコイイジャケットとかを見つけたときに「いや、コレ、カッコイイよ?でも、コレ、カッコ良すぎて僕には似合わないから着れないよ!」って言いたくなるときあるじゃん!でも、それ!今回だけは着てやろうぜ!
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制作中、自分を鼓舞するため、奮い立たせるために何度か言っていました。
コレ、“シノミリア”は僕発案ではありません。
「ラテン語とかギリシャ語とかいいかもね!」
というの聞いた、『シノミリア攻略本』著者あいこさんが調べてみつけてきてくれました。
最初はカッコ良すぎて、なかなか僕口に出せなかったですもん。照れで。
「し……シノみりあ ///」
とか、ホントなんかそんな感じでした。
それまでは“一見ふざけているけど確かな深いゲーム性のゲームを作るのが上手い作家”みたいなのが僕の評価の一つでしたが、
今、目指したように、前半取れて“ゲームを作るのが上手い作家”という評価をいただけるのは“シノミリア”というタイトルの効果も結構あるように思います。
『最新作のタイトル』
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