「常識人間を捨てろ」#7
人生のバイブルになった一冊。皆さんにとって自分の人生を最も変えた本はありますか?僕は普段、年間50冊本を読み、読書を習慣化させるという目標を立てています。理由はいくつかありますが、先人の成功体験を学べる、価値観をアップデートできる、心に余裕や落ち着きができる、情報を取捨選択できるようになる、などが身に付くと思うからです。
そして最近読んだ本のなかで、これからの人生への影響度合いが高いと思った本があったので紹介します。それは、岡本太郎さんの「自分の中に毒を持て」という本です。実はこの本は一年以上前から購入してはいたのですが、当時はサラッとだけ読んで、「今の自分にはあまり役に立たないな」と思い、本棚に置きっぱなしにしていました。でも、なぜか今頃になって興味のなかったこの本に惹かれたんです。
ここで、岡本太郎さんについて少しだけ話すと、日本を代表する芸術家であり、有名なのは、1970年の大阪万博で作られた「太陽の塔」。そして、今も渋谷駅の目立つところに飾ってある「明日の神話」などがあります。個人的にも好きで、表参道にある岡本太郎記念館TAROにも行ったことがあります。
この本は、芸術家である岡本太郎さんの人生観が熱い言葉で書かれています。ここから受けたポジティブな影響を、自分がここは伝えたいところを踏まえながら話していきます。また、これは僕が読んだ内容を自分自身のなかにより深く落とし込んでいきたいという狙いもあります。
メッセージはシンプルです。「常識人間を捨てろ」自分の理解では、常識人間とは他人の目、他人の価値観を気にしながら生きる人です。岡本太郎さんも、戦後に日本で絵を描き始めた頃は、明るい派手な原色を使うスタイルは前例がなく、周りの人から白い目で見られ、ジャーナリストからは「あなたのようなことをやっていたら社会から消される」とも言われていたそうです。
それに対して岡本太郎さんは「消されるなら、それで結構。とことんまで戦うよ。」自分のこれがやりたいという自分の心に従うことに何よりも重きを置いていたんです。それはある意味最もきつい選択だと思います。人が認めてくれること、これをやれば正解だと分かっていることをやるほど楽なことはないからです。しかし、楽なほうに流される己と戦えば戦うほど人生は輝くと考えていたのです。
僕は胸の内を見られたようでドキっとしました。これまでずっと誰かの人生を生きてきたことに気づいたんです。親や友達の喜ぶことをやりました。小中高とずっと続けてきたサッカーでは、監督の言ったことは守りました。誰かが決めたテストの点数で頑張っていました。全部誰かの決めた答えをなぞっていただけだったんです。
それが楽だから。一人にならなくていいから。みんなが認めてくれるから。でも岡本太郎さんは、一人孤独に必死に己と戦ってきました。「俺はお前らに認められるために絵を描いているわけじゃない」「俺がこれをやりたいからやっているんだ」「これでのたれ死んでも本望だ」と、人生の腹のくくり方が自分とは全く違いました。
「自分のやりたいことをやりきらない人生なら死んだほうがマシ」だと考えていたんです。打ち震えるほど、痺れて僕の心に刺さりました。なんてカッコイイんだと。自分もこんな生き様をしたいと心から思ったんです。もう誰かの為に生きるのはやめよう。自分のやりたいことを貫こう。成功確率とか、失敗して人に迷惑をかけるとか、そんなことを気にしてもしょうがない。
孤独に感じることもある。上手くいかなくて絶望することもある。でも、「自分は絶対に逃げない。」どんなに絶望的な状況で世界に誰も味方がいなくなっても、「俺はやりたいことをやって死ぬんだ」そう決めました。そう思うと、自然と体の内側から力が湧いてくるような気がしてきました。大げさかもしれないですけど、ある意味自分の人生は、この瞬間から自分が思う成功へと向かっていると思います。
今この瞬間の「心のあり方」が自分の人生の成功の尺度になり、自分の「やりたい」という気持ちに嘘をついていなければ、人生は成功なんだと。それを貫くことが大切。ここから、自分の人生の成功を自分自身で決められるようになりました。
大学四年間の時間を本気で過ごし、人生をかけてやりたいことを明確にする。長期休みを使って、常に新しい環境、人、機会に触れてきました。普段の学校生活では周りの人に流されずに、自我を確立する。誰かのレールを歩く人生にはしない。時には、周りの人から反対されたり、苦言を言われることもあります。でも、それで悩んだり気にしてもキリがない。そう自分に言い聞かせてきました。
そもそも今の世の中で、のたれ死ぬことなんてそうない。餓死してしまうこともあった何百年前に比べたら、僕は本当に恵まれていて、チャンスしかない時代に生きています。もちろん辛い瞬間はあります。自分は何をやっているんだろう。これは本当に意味があるのか。他人と比べて落ち込む瞬間だってたくさんあります。でもその度にこれらの言葉を思い出すことを誓ったんです。
「人生の成功とは、自分の夢に向かってどれだけ挑んだか、努力したかで決まる。」元気になるんです。反骨心のようなものが芽生えるんです。こんな絶望的な状況を味わえるのは、世界で俺しかいない。目一杯やりきれと。そして絶対成功を掴むんだと。
「常識人間を捨てる」というのは、人の意見を一切聞かずに傲慢になるということではありません。信念が明確になると、その実現の為により人から謙虚に学ぼうとするはずです。相手に対してリスペクトの気持ちは持つ。そのなかで自分が大事にしている価値観を体現し続けます。
「常識人間を捨てて、自分の心に従って生きると腹を括る」自分の人生をより良くしたい、成長したいと誰もが思うはずです。自分の人生に100点満点をつけられるか?明日死んでも何も後悔は残らないか?腹を括ったその日から、自分の人生は最高だと思うことが大切です。結果は後からついてくるもので、そこまでの過程を大事にする。人生の成功に「結果」や「他人の評価」は関係ない。
500円くらいの薄い本ですけど、こんなに値段と内容が釣り合わない本は珍しいはずです。それぐらいこの本からは数値化できない価値があると僕は思っています。最後にこの本から受けた影響を象徴する一文があるので、それを述べて終わりにします。
「人間にとっての成功とはいったい何だろう。自分の夢に向かってどれだけ挑んだか、努力したか、ではないだろうか。夢がたとえ成就しなかったとしても、精一杯挑戦した、それで爽やかだ。」