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読書と英語の語彙/インプット&アウトプット

 というわけで、今回は語彙力と英語力について書いてみたいと思います。
 英語の語彙を増やしたところで、まず使いこなせていなければ、それは知らないも同然ではないかと思います。
 そのために必要なのはまず母国語で語彙を増やすということです。
 日本語で同じ言葉を多用しているのに、英語になると豪富な語彙をマジシャンのように使いこなしている……そんな人を少なくとも僕は見たことがありません。
 語彙を増やすにはどうしたらいいか、それはやっぱり読書とラジオが最適なのではないかと思います。
 本を読む習慣がない人であれば、たとえば同じ著者の本を3冊ずつ3人読む。著者によって言葉の使い方はまったく異なります。小説を読みなれていない人は文章の楽しみ方やら違いといったものがもうひとつピンと来ないのではないかと思います。
 そこで同じ著者の本を3冊続けて読むと、そういったものが比較的わかるようになると思うわけです。村上春樹のあとに綿矢りさ、としてコーマック・マッカーシーをそれぞれ3冊ずつ読むと、3人ともいわゆる「純文学」というカテゴリーであってもまったく異なるスタイルで、使っている語彙もまったく違うことがわかると思います。たとえば村上春樹は特徴的な文章でも知られていて、3冊続けて読むとちょっと村上春樹もどきな文章が書けるようになるというわけです。逆にコーマック・マッカーシーは例えのたくさん使われた硬質でありながら詩のような美しい文章で書かれています。
 そうやって色々な文章に触れ、さらには日記などを書いたりすると、インプットとしての読書からアウトプットに移行することができ、最終的には使用する語彙の増加にもつながるというわけです。
 語彙や表現の幅が増えると、英語をしゃべる際に、もちろん母国語ではないので伝わらない場合もありますが、そこで同じ表現に固執せず、すぐに別の言い方で伝えるといった技術も向上していきます。これは会話に於いてすごく重要なスキルのひとつではないかと思うんです。英会話である単語が出ずに止まってしまう場合の多くは、やっぱりその単語を探すことだけに固執している場合がほとんどです。翻って表現力やインプットをアウトプットまでうまくリンクさせている人の多くは、ある単語が見つからなかった場合もすぐに別の言い方や表現に切り替えて話を続けられる人がとても多いと思います。これは日本語の会話でも同じで、話が分かりやすい人は相手にうまく伝わらなかったら、すぐにわかりやすい別の表現で相手に伝えることができます。
 読書をしてそういった能力を鍛えることで、英語が苦手でも会話をスムーズに展開することができるようになり、結果的に英語をより早く上達させられるようになるわけです。
 併せてたとえば話術のプロであるお笑い芸人のラジオや英語のPodcastなどを聞くこともしゃべり方自体を学ぶという意味ですごく助けになるのではないかなと思います。芸人のラジオでうまいトークはどういうものなのかを学び、そして英語のPodcastでは英語自体に親しみつつ、英語自体の表現を自然に身に着けることができます。
 それこそ会話におけるDon't get me wrongという表現は英語特有なので、「勘違いしないでほしいんだけど」に近いとはいえ、もっと多い頻度で使われますし、ニュアンスもちょっと違う感じがします。そういう言い方に関しては、やっぱりある程度英語を聞いて親しんでいなければ出ないものなので、やはりPodcastを聞くことも大事ではないでしょうか。
 全部が整ったら、それこそ伝えたいことやトピックを持つことは非常に重要なのではないかと思います。
 話すことがないのに英会話を勉強することは、車を買ってガソリンを入れない事くらいおかしなことでだと個人的には思います。というのも、つまるところ英会話は英語を使って会話をすることに過ぎず、そもそも無理やり話している状態では会話として聞けるものではないからです。会話として下手な時点で、英会話がうまくいくはずがないですよね。
 旅行をしたり、普段しないことをする。普段読まない本に触れてみたり、それこそいつもと違う道で家に帰る。目的なく散歩をする。いつもと違う音楽を聴く。普段作らない料理をしてみる。こうしたことをひとつするだけでも、会話の幅がだいぶ広がるきっかけにはなると思います。そして話したい内容に対応した英単語を調べてみる。
 仮にうまく英語で伝えられなくても、熱量さえあれば、もし下手であっても相手に何かを伝えることはできます。そしてそれを続けることで英語力は自然と伸びていきます。
 英語力を本格的に伸ばすためには、英単語をひたすら覚えるだけではなく、インプットとアウトプットを繰り返し、広く色々な方向に興味を持つことこそが本当に大事なことなのではないでしょうか。

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