中学生継子のお試し行動
ツムギと暮らし始めて4年目がスタートしています。
そうか、まだ、丸3年しか経っていないのか。
ステップファミリーが家族として落ち着いてくるには、一般的に7年ぐらい必要だと言われているそうです。
そう考えれば、まだまだ、ツムギと私がぶつかるのも、珍しいことではなく、そうガッカリすることでもないのかと思えます。
ステップファミリーの指南書には、継親は友達のように、叱るのは実親に任せて、とあります。
でも、継親が女性の場合、なかなかそんな綺麗事を言ってられる状況にはなりません。
共働きなら尚更。
もっと、優しく接すればよかったのかな?と、自分のやり方を反省することもあるけれど、ツムギみたいなタイプの子には、常に本音でぶつかる方が、やっぱり良かったのではないかと最近思います。
この頃、目に見えて変わってきたことがあります。
散々激しくやり合った後、以前であれば、大人がツムギに反省することを促し、半ば強制的に「ごめんなさい。今度からしません」と言わされて一件落着としていたようなことが、近頃、ちゃんと自分ごととして受け止められているように見受けられるのです。
注意、アドバイス、お願い事。
これらをすべて「ツムギが悪いから怒られる」と受け取ってしまう娘は、何か言われると反射的にムッとした顔をして反論してきます。
最初のこちらからの話は些細なことなのに、その態度や言葉が重なるうちに、こちらも怒りに変わるのです。
そうなると、抜いた刀を納められず、ずっと意地を張り続ける。
「誰が買ってきたものを、コソコソ食べてるのよ」
と聞けば、
「家にあるものを勝手に食べるのは当たり前じゃん!」
と反論する。
「そんな態度取られてるのに、買ってきたものを食べられるのは嫌なんだけど」
と言うと、
「じゃあ、お小遣いちょうだいよ。25日にくれる約束だったじゃない!」
と逆撫でする。
「恥を知りなさい!」
実母や祖母は知らないけれど、私はそんなことを平気で言うような娘に育てた覚えはありません。
よくもまぁ、こんな憎たらしいことを言えるものだと、隣で目をつぶって聞いている夫が居た堪れなくなります。
だけど、そんな激しい言い争いをしていても、本当は、そんな自分に嫌気が差していることが、段々と漏れてきて、最後は素直に反省することができるようになってきたのです。
昨日も、3時間余りかかったけれど、怒りに任せて父親に反論し続けていたツムギが、こちらからのどの言葉が響いたのか、途中からポツリポツリと、発する言葉を変えてきました。
「後ろ向いてたって聞いているんだから、話し続ければいいじゃん!」
「そっちがツムギと暮らしたくないんでしょ!」
「全部が嫌だなんて言ってないじゃん!」
「少しは注意してよ」
そんなツムギに、私は言います。
「ツムギは、私のこと嫌いじゃないんでしょう?
ケイトが一緒に住まないって言ったんじゃん!
ケイトはツムギのこと嫌いなんでしょ!
って言うけれど、ツムギだって一緒に住みたくない!とか、ツムギだってケイトのこと嫌い!とか言わないもんね」
「うん」
「それがツムギの本音でしょう?」
「うん」
まだ不安なんだなぁ。
実母のように、祖母のように、私もまた、自分の元を離れてしまうのではないかと。
心から安心するためには、大っ嫌いな自分も見せないと不安なんだなぁ。
しんどいですよ。
時間はかかるし、傷つくし、疲れるし。
だけど、最初からずっと優しいお友達のような継母だったら、いつも叱られていたことさえ何も言ってくれない継母だったら、ずっと不安を抱えたまま過ごすことになったのではないかと思います。
家族って、どんな大喧嘩したって、また何事もなかったかのように関係を修復することができるんだよ。
私自身も、仲直りまでの期間がグンと短くなって、シコリも残りづらくなって、ずいぶんと家族らしくなってきたと感じています。
お試し行動、ドンと来い!
思春期、ドンと来い!
まだまだこれぐらいじゃ、根を上げないからな。
そんなヤワじゃないからな。
全部全部吐き出して、全部全部ぶつけて、嫌な経験を昇華して大人になるためには、通らなくてはいけない道なのだと思います。
きっとこれが結果的には近道だと信じて、ゼェゼェしながら進んでいます。
冷静になれば、私にだってわかるんだ。
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