不登校と中学受験(30)
学校の授業の妨害をする進学塾の子ども達
関西のある小学校に「在籍する」6年生のお子さんをお持ちのお母様から、ご相談をいただきました。
子どもが学校に行きたがらない、ということでした。
どのような状況かをお聞きしていて、明らかに2つ原因があるとわかったのです。
不登校の子ども達の今の様子や状況をお聞きしていて、原因が何か一つでもはっきりすることがあるのは、たいへんありがたいことなのです。
不登校になっているお子さんの今後、どのようにしていくかが明確になるからなのです。
昨日のお話をお聞きしていて、原因の一つは、中学受験をする子ども達が、「それは知っている」「それは塾でもう習った」と徹底的に授業の展開を邪魔すること。
もう一つは、同じ6年生の隣のクラスの担任の先生が、「塾で習っているだろうからわかるだろう」と、ろくに説明もしないで学習内容をどんどん進めてしまう、この2点であることが明確になりました。
ここまでお読みいただいて、なぜ、それで不登校になるのか?と思われる方は、少し丁寧にお考えください。
一つ目のことは、これまでもお話ししてきましたが、子どもだからこういうことはあることもわかるのですが、授業の妨害をすることは許されることではないのです。
これは学校の先生の力不足も否めません。
指導者として、注意をする、子ども達を惹きつける、そういうトレーニングをして欲しいと思います。
しかし、先生の力不足もあるとしても、明らかにこれは、妨害している子ども達の躾がなっていない、このことが最大の問題です。
自分達さえ良ければ良いという態度が露骨に出ていて、周りの迷惑など何も考えていないことは、やってはいけないことなのです。
学習進度が遅いのではないのです。
自分達が先取りして、学んでいるだけのことなのです。
しかも、先生に対する態度が悪い、塾に通っていない同じクラスの子どもをバカにする、それを注意したら徹底的に先生や同級生に対しても攻撃する。
そんなことが、許されるはずはないのです。
学校側が断固とした態度で指導をして欲しいと思うのです。
なぜなら、こんな学校にわざわざ行きたいと思う子どもはいないからなのです。
授業を邪魔する子ども達がいることに対しては、学校へのクレームもあり、校長、教頭はじめ、担任の先生もご苦労されていらっしゃるようなのです。
しかし、その子ども達に注意をすると、その邪魔をする子ども達のご家族から、学校の学習スピードが遅いなどと、逆にかなり文句を言われていると、お母様が教頭先生とお話しされたときにおっしゃっていたそうです。
これが本当だとすると、確実に授業の邪魔をしているご家族の問題だと言わざるを得ません。
学校の進度は、塾に行っているかどうかに関係なく、学校が行う授業なのですから、勝手に先取りしておいて、授業の進度が遅いと文句を言うことではないのです。
親の価値観、考え方の問題です。もう躾の問題ですらありません。
これは許されることではないのです。
でも、これが大都市圏でかなりある状況なのです。
ここで、もう一つのことが問題になるのです。
隣のクラスの担任の先生です。
「塾で習っているだろうからわかるだろう」と、ろくに説明もしないで学習内容をどんどん進めてしまうこの先生は、文句を言ってくる子どもとご家族への対応が面倒なことから、授業を妨害するような、中学受験進学塾に通う子ども達の機嫌を取るような授業を展開していると思われます。
そのことで、見かけ上の問題を回避しているに過ぎません。
もしも、万が一、この隣のクラスの担任が本当に塾で習っているのだから、この程度で良いと思って授業をしているなら、大問題です。
なぜなら、もし、このクラスに塾に行っていない子どもがいた場合、この子どもの学習する権利をはっきりと侵害しているからなのです。
これがないとも言えないのが現状なのです。
ご相談いただいたお母様からお聞きする限り、ご苦労されている担任の先生は、力不足は否めないまでも、かなり教材研究もし、子ども達に考えさせる指導も行い、たいへん熱心な先生だと思います。
若くて情熱もあり、頑張っていらっしゃることがよくわかります。
でも、心無い進学塾に通う子ども達と、それに同調する先生によって、こういう先生が潰され、不登校になる子ども達がいることは、間違いないのです。
こういうことが起こっていることに対して、中学受験大手進学塾は、根本的に指導を見直していただきたいと、強く思います。
このお母様には、お子さんの心と、学習する権利を守るために、担任の先生と一緒に徹底的に闘う道があること、あんな学校に行っても仕方がないと違う方法を考えることも良いこと、行ける日だけ行くのもありだということなどをお伝えし、お子さんに一番負担にならないようにしてあげてください、とお伝えしました。
具体的な対応について、いろいろな方法があることも、お伝えしておいたのですが、このお母様は、お子さんのことをとても大切にされていらっしゃることがよくわかりました。
お子さんが絶対に辛い状況にならないように考えながら、6年生なので在籍している間は、お願いはするけれども、無理に改善を要求はしません。
でも、卒業式が終わったら、徹底的に言わせていただくし、使える方法は全て使ってでも、おかしいことはおかしいと改善するように強く要求していきます、ときっぱりとおっしゃっていました。
我が子と同じような思いをするお子さんを出したくない、とまで言い切っていらっしゃいました。
このお母様のお気持ちをお聞きして、不登校になっていても、間違いなくお子さんは大丈夫だと思いました。
なぜなら、お子さんはお母様の愛情をしっかりと感じられていると思ったからなのです。
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