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発達障がいの子どもの不登校(3)

学校の限界

発達障がいの子どもや、それに近い特性を持つ子ども達が、不登校になる前に学校で何とかできないものかと、ご家族はまず考えられるのではないかと思います。

これに対して、学校ができることがどの程度あるのでしょうか。

まず、前提として、学校の先生がどの程度、発達障がいのことについて理解をされているか、ということを考えると、これは、先生によって全く違うとしか言いようがありません。

近しい人に発達障がいの人がいる先生であれば、知識としては知らなくても、その人のこととしてわかることがあるかもしれません。

大学を卒業して間がない先生で、大学で少し学習した程度の知識しかない先生もいらっしゃいます。

長年、特別支援教育に携わり、発達障がいのことについても一般社団法人日本LD学会や日本発達障害学会などの会員になり、積極的に学ぶ先生もいらっしゃいます。

ベテランの先生ではあるものの、全く興味関心も知識もない先生もいらっしゃいます。

本当にいろんな先生方がいらっしゃいます。

この時に、先生方の業務の多さは、間違いなく原因の一つとなっていると思います。このことだけでも、先生方のご負担はかなり大きいと思います。

そこに加えて、子ども達の対応を考えるだけの余裕がないことは考えられます。

ところが一方で、子ども本人やご家族の側からしてみたら、学校として少しは配慮をしてもらってもいいのではないか、何か子どものためにしてもらえてもいいのではないか、と思うのは当然のことです。

平成25年6月、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(いわゆる「障害者差別解消法」)が制定され、平成28年4月1日から施行されました。

第七条、第八条において、合理的配慮をしなければならない、ということが定められています。

ですので、学校においても、当然、合理的配慮がなされないといけないのですが、発達障がいと診断をされていても、なかなか先生方の知識がないために、配慮がなされないことも多いのです。

私立学校においては、そもそもそういう配慮はしないと明言される学校もあるくらいです。

その配慮が必要であるならば、公立の学校に行ってもいいのではないか、と言わないばかりの私立の学校もあります。

また、たとえば、特性上、聴覚過敏がどうしてもあるため、イヤーマフラーやヘッドホン、耳栓などを利用すると、周りの生徒から、音楽を聞いているとか、あいつだけ嫌なこと聞かなくていいのはずるい、とか、言われることがあります。

子ども自身が、本人にとっては辛いことを避けようと思っても、周りの生徒からの声によってやりにくくなったり、嫌な思いをしたりすることがあるのです。

この時に、先生の知識がしっかりあり、他の生徒に対して聴覚過敏の子どもの辛い状況を伝えてもらうことができるだけでも、全然、学校での過ごしやすさは違ってくるのです。

もちろんのこと、どのように話すかということも、十分に考慮されてのことです。

実は、このことは、特性がある子ども達のことを、他の子ども達に理解してもらうことができる絶好の機会なのですが、先生方がどこまでわかっていらっしゃるかに寄って、子ども達のお互いの理解は大きく違ってしまうのです。

そのため、周りの子ども達からも理解されず、学校の先生にもわかってもらえず、合理的配慮もなされないのでは、学校生活はあまり充実したものにはならない可能性が高くなります。

だから、不登校になってしまうことがあることは否めないと思うのです。


谷 圭祐 https://ktani.info
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