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不登校からの卒業(30)

不登校の真の解決とは(5)

これまで私がであって来た不登校になった子ども達の多くは、素直で、謙虚で、本当に心の優しい子ども達でした。

ただ、最近、そうでない子ども達も増えて来ています。

これは、学校の状態だけでなく、不登校であることが、社会に受け入れられてきていることも大きく影響しているのかもしれません。

だから、誤解を恐れずに書くと、学校に行くことがうざい、だるい、面倒だというだけで、不登校になっている子ども達がいるということです。

この「うざい」を掘り下げたときに、何かしらの思いがあることもあります。

それを表現が下手で、そう言っているだけということもあります。

しかし、そうでない子ども達も、やはりいるのです。

だから、不登校の問題がややこしくなっているように、私は感じています。

この、うざい、だるい、面倒だという子ども達の中で、本当にそう思っている子どもと、そうでなく、これまで私が出会ってきた不登校の子ども達との、決定的な違いは、「他者への思いやり」です。

優しさと言ってもいいかもしれません。

私が出会ってきた不登校の子ども達の多くは、本当に心の優しい子ども達です。

それも、ただ、優しいというだけではないのです。

相手に対して、ここは気が付いてないから言ってあげた方がいい、ということがあれば、はっきりと言っていました。

言える、言えないということはありますが、同じようなことを気が付き、言ってあげた方がいいだろうな、ということは感じているのです。

このときに、言える、言えないの差が、自己受容ができ、自己肯定ができているかどうかということになると、子ども達を接してきて思っています。

先ほどの、相手が気が付いていないことを言うと、嫌なことを指摘されたと悪く受け取る人も当然のことですがいます。

悪く受け取り、攻撃されたと思い、言ってくれた人に対して激しく非難する人も出てきます。

こういう人に出くわしてしまったときに、素直であるがゆえに、まともに受け止めてしまうために、ものすごく精神的に凹むのです。

それは、良かれと思って伝えているのにも関わらず、激しく非難されることになるとは、思っていないからなのです。

不登校の子ども達が、人と接すると疲れる、と言うことがあります。

これは、いろいろなことをその人の言っている言葉だけでなく、その人の持つ雰囲気、その人がつくる空気から、本当はどう思っているかを感じ取るからなのです。

だから、優しいのです。

不登校の子ども達は、

他人と比べることなく、今の自分を受け止め、自分は自分でいいんだと言える、素直で、謙虚で、一生懸命に考えて行動していく子ども達なのです。

こんな子ども達を、「学校に行けない、どうしよう、これではダメだ!」と言っているのは、実は大人の方だと思いませんか?

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Keisuke Tani
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