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発達障がいの子どもの不登校(4)
発達障がいの子どもの不登校は防げる?
発達障がいの子どもや、それに近い特性を持つ子ども達の不登校と、特性が強くない子どもの不登校と何がどのように違うのでしょうか。
例えば、こだわりが強く、自分のこだわり通りにならないとイライラしたり、パニックを起こしたりする子どもの場合、それが元で、周りの子どもともうまくいかず、学校の先生方もうまく支援ができないと、学校に行くのが嫌になってしまい不登校になってしまうことがあります。
また、上手に自分の気持ちを話すことができない子どもの場合、周りの子どもとちょっと言い合いになってしまった時に、どうしても手で叩いたり、足で蹴ったりしてしまうことがあります。
こうなると、叩いたり蹴ったりした子どもの方が一方的に悪いことになり、周りの子どもから非難されることになるために、「みんな僕のことをわかってくれない!」と思い、学校に行きたくなくなることがあるのです。
こうして、特性があるがゆえに、学校生活がうまくいかいことが出てくることは、よくあることなのです。
前回、お話ししたように、学校も一人ひとりの子どもにあわせての対応がうまくできないこともあり、不登校になってしまうことが増えているように思うのです。
もともと、家にいることは、発達障がいや、それに近い特性がある子ども達にとってはとても安心できるのです。
これは他の不登校の子ども達とも同じです。
違う点は、その子どもの特性を理解し、どうしたらいいかを一つひとつ教えて身につけていけば、学校復帰ができる可能性もあるということです。
もっと言うと、そういうソーシャルスキルトレーニングなどを行い、どうすればよいかというスキルを身につければ、不登校にならずに学校生活を楽しめるのです。
不登校になってしまった場合は、人とぶつかるストレスがない、こだわりの通りにやっていても誰からも文句を言われない家だと、わがままも言えるし、自分の思うようにできる、うるさい音もない、など、特性からくるしんどさが大幅に軽減されるのです。
だから、我慢して学校に行き続けないと不登校になりやすいのです。
でも、周りの子ども達や学校の先生の配慮、しっかりした支援があれば、学校の中で十分に身につけられる力でもあり、集団生活の中で、どう振る舞わないといけないかを学べるのです。
しかし、不登校になって、時間が経ってしまった場合、次に外に出て、例えば久しぶりに学校に行って、友達と言い合いになってしまったり、意見が合わなくてぶつかるようなことになってしまったりした場合は、日頃からそういうストレスに晒されないために、余計にイライラしてパニックを起こしやすくなります。
不登校が長引くと、ストレスに対する耐性がどんどん弱くなっていき、すぐにパニックを起こしてしまうようになるのです。
こうなってくると、ご家族ですら、だんだん、たいへんになっていきます。
自分の思うようにならないからといって、人を叩いたり蹴ったりすることは、絶対にやってはいけないことなのだと、誰かが教えなければいけないのです。
ところが、不登校になっている間に、人間関係やコミュニケーション力をつけるために学ぶ機会でもあればいいのですが、そんな場はなかなかフリースクールなどでもありません。
放課後等デイサービスでも、そういうしっかりとした療育をしているところは、意外と少ないのです。
もちろん、ご家族の中には、そのように教えようとされるのですが、家ではとことんこだわっても、許されると思っているので、何も学ぼうとはしないのです。
ご家族の中には、コミュニケーションスキルなどを教えることが必要だとさえ思っていない方もいらっしゃいます。それでは、身につけることなどできません。
思春期になれば、なおさら学ぼうとはしません。
嫌なものは徹底して嫌となってしまうからです。
ですから、同じように発達の特性があっても、年齢が上がるほど、スキルを身につけることが難しくなってしまうのです。
不登校になり、家にいては、一般的には、対人的なルール、マナー、スキルを学ぶことはできなくなってしまうのです。
ストレスへの耐性も弱く、外出することは、その子どもにとっては、見通しが立たないことなので不安が一層強くなり、外出すること自体を拒むようになってしまうこともあるのです。
その結果、学校にもどこにも行かず、自宅にいることが長期化してしまうことになるのです。
その状態の時に、ご家族が我慢できなくなり、タイミングを間違って「そろそろどこかに通ってみないか」と言った時に、たとえ、最初は「じゃあ行く」と言ったとしても、どんなところかわからない、何時に行くのかわからない、何を話すのかわからない・・・と見通しが立たず、不安になって怖くなって暴れ出す子どもがいるのです。
暴れることがなかったとしても、不安で不安でたまらなくなり、絶対に行かない、と言い出すことがあるのです。
(つづく)
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