不登校と中学受験(29)
中学入試の成績は高校卒業時には関係ない
以前、こんな記事が『プレジデント オンライン』に出ていました。
「私立一貫校がズバリ回答「志望校にギリギリ合格した子、低偏差値校に合格した子」は入学後どうなるのか」
https://president.jp/articles/-/63793?utm_source=line
結論は、志望校にギリギリ合格した子どものその後については、『中学入試の成績と高校卒業時の成績に相関関係はまったくない』、合格時の成績は高校卒業時には何の関係もない、ということです。
低偏差値校に合格した子どもについては、学校にもよるのですが、「そんなにレベルの低い学校には通わせたくない」とご家族は思ったとしても、今まで注目されることもなかった子どもが、注目されることもあるとしたら、キラキラ輝く学校生活を送ることができるかもしれない、というのです。
全くその通りだと思うのです。
高校受験と違って、中学生時代に子ども達は大きく変化・成長していきます。
中学入試結果そのままではないのです。ギリギリで合格しても、第一志望校でなく、かなり偏差値の下の学校に合格・進学しても、全て不合格になって公立中学校に進学したとしても、そこから変わっていけるのです。
お母さんが、受験までの間、子どもにどのように寄り添い、伴走をし、例え第一志望校でなくても、子どもの努力を誉め、通い出した学校で精一杯できるように、一緒に考えて来られたのであれば、進学した学校で充実した学校生活を送っていけると思います。
だからこそ、どのように勉強してきたのか、何のために勉強してきたのかということが、何よりも重要だということなのです。
遮二無二に成績や合格だけを追求して、本来の育てを忘れた中学受験はやってはいけないと私は思います。
偏差値を上げること、合格を目標にすることは、してはいけないと思うのです。
今、学校現場でも、進学塾でも、多くの子どもと関わる仕事をされている方が、子どもの多様性を認めようとされています。
これはいいことだと思うのです。
ただ、闇雲に、なんでもいいというわけではないのです。
不登校の子ども達には、今の状態を認めた上で、将来、どうなって行きたいのかということを一緒に考えていく必要はあると思っています。
発達障がいの子ども達であれば、できるだけ早く、生きていくためのルールやマナー、知恵というものを身につけてほしいと思います。
それぞれの子どもが、社会の中で、自分の得意とすることをしっかりと生かして、活躍していって欲しいと思うのです。
こういう多様性を認めようというのは、個性を尊重し、一人ひとりを尊重するという意味でも、素晴らしいと思うのです。
ところが、多様性を認めようと一方で称賛し、他方では集団からはみ出すことをことさらに怖がるという、一貫性のなさが子どもを潰す原因になっていると思います。
中学受験にしても、不登校にしても、発達障がいのことにしても、多様性を認めながらも、他の人と違うことを極度に恐れ、我が子の状態を受け入れないお母さんがいらっしゃいます。
そのようなお母さん方は、結局、「みんなと同じ」ことを望み、自分の子どもを周りの子どもと比較して、同じであることを無意識に強要してしまうのです。
一般的には、多様性を認めようと称賛し、我が子には集団からはみ出すことをことさらに怖がるというお母さんの心の一貫性の無さ、矛盾が、子どもの心を壊していくのです。
中学受験の成績は、高校卒業時には関係がありません。
だからこそ、進学後に伸びる力を育てる中学受験をしておく必要があるのです。
そのために、お母さんがご自分の心の矛盾をなくし、心を整えることに力を入れて欲しいと思います。
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