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なぜ「三権分立」が問題になっている!?-「三権分立」とは何か?-

長い自粛生活で多くの国民が不安な気持ちを抱いている状況において、政府から新型コロナとはまったく関係のない問題が話題になっている。

Twitterでは「#検察庁法改正案に抗議します」をつけたツイートが200万件を超え、トレンド入りしている。そして、このハッシュタグは多くの著名人も投稿していて、世間に多大な影響を与えている。

この問題を非常に分かりやすくした投稿もあったので、載せておく。

どうやら安倍首相と検察庁との関係に問題があるようだ。また検察庁と裁判所には密接な関係がある。つまり、安倍首相率いる「内閣」と「裁判所」の関係に問題があるようだ。

そのような日本の政治の関係を表したものが「三権分立」だ。小学校や中学校の時にもなんとなく勉強した記憶があるのではないだろうか。

そんな三権分立だが、なぜだか中身が変わっているという。

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こちらは衆議院のホームページから引用したものだ。一方で、首相官邸のホームページを見ると、次のようになっている。

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国民と内閣の関係が変わっているのだ。僕が持っている政治・経済資料集には一つ目の画像の関係性で載っている。首相官邸が載せた二つ目の画像の関係性は問題があるように思う。

ここまでが昨日Twitterで炎上した内容だが、周りに合わせて、なんとなく「#検察庁法改正案に抗議します」をつけた投稿で抗議するのも問題があると思う。現在の僕は、まず「#検察庁法改正案とは」を明らかにしたいと思う。そのために、まずは「三権分立」について復習する。

三権分立とは何か?

「三権分立」は、18世紀のフランスの思想家モンテスキューが著した『法の精神』の中で、権力の暴走を防ぐ手段として、唱えられた。

…政治的自由は…権力の濫用されぬときにしか存在しない。だが、権力を持つ者はすべて、それを濫用する傾向があることは、永遠の体験である。…
人が権力を濫用しえないためには、事物の配列によって権力が権力を阻止するのでなければならぬ

日本では、立法権を「国会」、行政権を「内閣」、司法権を「裁判所」に与えられている。これらの特別な権利を与えられた3つの国家機関の間に私情が挟まると、権力が濫用しかねない。

同一人、または同一人の執政官団体の掌中に立法権と執行権が結合されているときには、自由はない。なぜなら、同じ君主あるいは同じ元老院が暴政的な法律を定め、それを暴政的に執行するおそれがありうるからである。
裁判権が、立法権と執行権から文理されていないときにもまた、自由はない。もしそれが、立法的に結合されていれば、市民の生命と自由を支配する権力は恣意的であろう。なぜならば、裁判官が立法者なのだから。もしそれが執行権に結合されていれば、裁判官は圧制者の力をもちうることになろう。

国会の権限

国会は立法機関、つまり法律を制定する機関である。国会議員は衆議院と参議院で構成され、それぞれ国民の選挙によって決められる。

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また、国会は行政権を持つ内閣に対してダメ出しをする不信任決議をとることができる。これを実施するためには衆議院議員50人以上で決議案を衆議院に提出、その後衆議院における出席議員の過半数の支持が得られた場合、内閣不信任決議の効力が発生する。

これにより、衆議院解散し国民による総選挙、もしくは内閣総辞職という選択肢を取るが、たいていは前者が選ばれる。例え解散を実行できても、ある程度国民から支持を受けてないと結果はほとんど変わらず、選挙費が無駄に失われるだけである。

裁判所の権限

裁判所の役割は、社会の中で起こる争いごとを、公平な裁判を行い、法に基づいて解決に導くことだ。

裁判所は「司法権の独立」と呼ばれ、公正な裁判を行うために、司法権は行政や立法から独立して行使しなくてはならない。例えば、安倍首相は内閣(行政)や国会(立法)の業務に関わるが、裁判所(司法)の業務に関わってはいけない。

裁判所は、我々国民だけでなく、国会や内閣に対して、法律や行政処分が憲法に違反していないか審査する権限を持っている。また、最高裁判所はそれについて最終決定を下すため、「憲法の番人」とも呼ばれる。

内閣の権限

行政権を持つ内閣は、まず国会議員が内閣総理大臣指名選挙に立候補し、国会議員の投票で過半数を得ることができたら、内閣総理大臣に指名される。そして、その内閣総理大臣が、国務大臣を選任して内閣を組織する。

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例えば、近々の出来事でいうと、予算の管理や給付金をいくらにする、なども省庁率いる内閣の仕事である。そして、これらの行政は名目上、一般的な国民の意見(世論)に基づいて行われる。新型コロナの影響で、多くの国民が苦しい生活をしている。これが世論となり、それに対する政策を行うのが内閣の仕事である。

ここで1つ疑問が生まれる。冒頭で提示した国民と内閣の関係だが、どちらも間違っているとは言えないことになる。国民は内閣に世論として物申し、それに対して内閣は行政を行う。

おそらく、首相官邸つまり内閣側のサイトは、世論を反映させず強行的に行政を行っているように思われるのだろう。本来であれば、国民と3機関との関係は下記のように記すべきなのかもしれない。

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また、内閣は最高裁判所長官の指名(任命は天皇)及びその他の裁判官を任命する事ができると同時に、最高検察庁(検事総長)を任命するのも法律上、内閣である。これが冒頭に載せた本多議員の訴えに繋がっている。

これまでは、前任の検事総長が後任を決めるのが慣例とされ、政治的判断を排除することが、検察の職権行使の独立性の象徴ともされてきた。今回の東京高検検事長の定年後の勤務延長という違法の疑いのある閣議決定によって内閣が検事総長を指名することになるとすれば、政権側が名実ともに検察のトップを指名できることになり、政権側の意向と検察の権限行使の関係にも多大な影響を生じさせる。

どうやら、これまでは前任の検事総長が後任を決めてきたそうだ。しかし、本多議員が言うように、安倍首相を筆頭とする様々な議員が事件を起こしてきたが、不起訴という状態で終わっていることがほとんどだ。

さらに今回、検察庁法のよると検察官の定年は63歳、検察総長だけ65歳である。問題とされている黒川検事長は今年の2月に63歳となるため、本来であれば定年となる。ところが政府は、直前の1月末に1人だけ定年を8月まで延長する閣議決定をしたそうだ。

このように検察官の交代を遅らせていることから、安倍首相と検察官が通じ合っているのではないか、という怒りが野党や国民から湧き上がっているのだ。そして8日に委員会で審議が始まり、今となって著名人が筆頭にSNSで抗議し始めたということだった。

Twitterが盛り上がっているが、真相を掴むためには、検察庁法など、他にも学習する必要がありそうだ。

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