今が教育改革のチャンス
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、全国の教育施設が休校する事態となっている。場所によっては教室のクラスター感染が疑われている所もある。
5月6日に緊急事態宣言が解除される予定ではあるが、延長される可能性はまだ残っている。緊急事態宣言延長の有無は5月5日の前後に判断される見通しだ。
休校に伴い、全国の教員は対応に追われている。中にはオンラインによる遠隔授業が実施されている学校もあるが、全国の学校でその環境を整えるのは、この短期間ですぐに出来ることではない。
そのような事態において、全国の小中高ではどんな問題があるのか考えてみた。
家庭の問題としては、通信環境や通信機器の提供が必要だ。アメリカではこの事態に備えてパソコンの無償配布をしている地域もある。
東京都では公立学校でオンライン学習を充実させるために、約20億円を投じる指針を固めている。
このオンライン授業の環境を迅速に導入出来る所、出来ない所で教育格差が生まれることが考えられる。
一方で、教育機関においてはスケジュールの組み直しが必要だ。
入学式をオンライン化する学校はあったが、これからの行事はコロナの収束が見えない限り実施するのは難しい。個人的には残念ながら、今年度の体育祭や修学旅行は中止になると思っている。
それは、コロナの収束はワクチンが開発されないと無理だからだ。ワクチンの開発までは1年〜1年半かかる。アビガンなどの既存役も用いられているが、効果の確証はない。自粛生活によって感染者数は減っても、緊急事態宣言が解除され、外出する人が増えたら、濃厚接触者が増えて、事態は振り出しに戻る可能性は高い。
既に日本中学校体育連盟は全国中学校体育大会の中止も決定している。
話は逸れるが、サッカー部だった僕の中学における1番の思い出といえば全国大会だった。仕方のないことだが、これが中止となると、最終学年を迎えている生徒は本当に可哀想な気持ちでいっぱいだ。
また、何よりも教育カリキュラムの組み直しが大変だ。オンラインを導入している学校とそうでない学校によっても変わってくる。
理科の実験はオンラインでなんとか出来そうではあるが、生徒は見るだけ、という形になるだろう。体育や芸術科目はさすがに難しい。
受験生も大変だ。今年度の受験の日程はまだ決まってないが、地域によって教育の進度に差が出てしまうと、受験の日程もずらさなければならない。オンラインに適応している予備校に通っている生徒は大丈夫だろうが、そうなると所得格差と教育格差がさらに関わってしまい、これは公平な政策とはいえない。
そんな中で、個人的にはチャンスに感じる部分がある。それは生徒の評価方法だ。
よく日本と海外の教育が比較される。日本は知識を問われる教育、欧米では知識をベースに自分なりの考えを表現する教育、といったところだ。インターネットが普及した今、知識というものは検索すれば出てくる。もはやインターネットという最強のツールを使いこなさず、未だに知識を問うテストで評価している日本型教育は捨てるべきだ。
だが、オンライン教育が導入されると、その方式は更に意味が無い事に気付かされる。なぜなら、生徒は常にインターネットに触れられる状態で学習しているからだ。何かソフトを用いて遠隔でテストを実施するだろうが、もし知識を問う試験ベースだったら、これは高得点のオンパレードが発生する。
こういう状況になり、教員の腕も試されている事だろう。特に中高では、ほとんどの評価は定期試験で評価されるが、これを打開するにあたり、教員には2タイプ現れると思う。
1つ目は制限時間を短くし、インターネット検索する時間を与えないようにする教員。もちろんこれだと、本質が変わらないのでナンセンスだ。
2つ目は試験の出題方式を変える事。単語で解答する問題は9割以上無くしていいと思う。それに代わり、個人の意見を問う正解のない問題をベースにするべきだ。
こうなると、例えば社会科目だと分断的に事象を捉えるだけでは高得点をとることは難しいだろう。事象ではなく、文脈を理解していないと、自分の思考を深めることは難しい。
さらに加えると、定期試験そのものを廃止し、レポート型試験にしても良い。大学を覗除く教育機関では、文章を書き、自分の考えをアウトプットする、という仕組みがあまりにも無さすぎる。これでは、大学に行って文章力が無い、と言われても当然だ。
パンデミックによって世界の動きが大きく変わるというのは歴史から見て分かる。それは教育においても当てはまるだろう。今回のパンデミックにより、世界を加速させるのは「デジタル化」だ。
世界から見ても、日本のデジタル化に対する課題は多い。教育も今こそカリキュラムを見直す絶好のチャンスだと思う。
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