今まで政治に関心がなくて申し訳なかった
自粛生活によって得られた可処分時間によって、学習の時間を大量に作れるようになった。その時間、政治や経済について勉強し、こうしてnoteで毎日アウトプットしているわけだが、改めて、今まで「政治」というものに興味・関心を持っていなくて申し訳ないという気持ちだ。
1年前、元号が令和に変わる前日に放送されたAbema TVの番組「AbemaPrime」を昨日、改めて見返した。
僕は専門家やコメンテーターなどの出演者が討論番組等で、プロレス並みに白熱する議論を交わしているのを観るのが好きだ。観ると分かるが、この回でも社会学者の宮台真司さんが、ジャーナリストの田原総一郎さんにガツンと言っているシーンがある。
田原「国民をバカにしてるんだよ、この人は!」
宮台「国民をバカにするべきだって言ってるんだよ!」
このシーンがたまらない。この人たちは、なんか凄いことを言ってるなぁって思うのだ。
また、翌日放送されたNewsPicksの番組「WEEKLY OCHIAI」でも、お二方の言い争いは印象的だった。
田原「そんなに国民をバカって言うなら出て行けよ!」
宮台「あんたが出て行けよ」
このシーンを何回観ても笑ってしまう。補足しておくと、お二方は仲が悪いとかではない。田原さん曰く、宮台さんのことを全面的に支持しているそうだ。
しかし、どちらの番組も内容は「政治」。先日の記事に書いたように、まったく政治について知らない僕は、議論の本質が分からないまま、ずっと観ていた。そして、僕は宮台さんが仰る「バカな国民」のうちの一人だったことに気づかされた。
番組のテーマは「平成の振り返り、そして令和はどのような時代になるのか」だ。結論としては、平成は悲観的だ。
GAFAや中国の産業が伸びていることはニュースをパラ読みしてても分かるので、昭和に自動車産業で盛り上がっていた日本はこの30年間、確かにそれほど成長はしていないな、とは感じていた。
日本が世界と肩を比べられなくなったのは様々な要因があるのだろうが、直近の話でいくと「アベノミクス」による経済政策が失敗に終わった、という議論が持ち上がっている。
正直僕はアベノミクスなんて名前しか知らなかった。ニュースを毎日欠かさず見るようになったのも1年半くらい前のことだし、政治に興味を持つようになったのも、この自粛期間のことだ。
Abema Primeのある場面
田原「なんで国民の70%が今の状態に満足しているんだよ」
宮台「学生たちに今言ったこと(アベノミクスが失敗したこと)を言うと、沈鬱になってしまうんですよ」
僕もそのうちの一人だった。そして、自民党の支持率や政権が一貫して変わらないことに対して、
宮台「みんな見たいものを見ているだけのマスターベーション野郎とマスターベーション女だらけなんですよ」
WEEKLY OCHIAIでも、
宮台「任せてぶうたれるだけで、引き受けて考えないジャパニーズ独特の構えだよね。」
まさに自分のことだったと、今になって自覚する。ちなみに「アベノミクス」が失敗した理由は、宮台さんが言っている事と、実質GDPと名目GDPの違いについて書いたこの記事を見ればよく分かる。
僕自身も選挙に行くことはしていたが、今の政治の状況がよく分からないため、投票はなんとなくで決めてしまっていた。
民主主義国家において、国民一人ひとりが政治を行う立場であることを自覚し、自分の意思を選挙によって反映させなくてはならない。2016年から18歳以上の国民に選挙権を与えられるようになったが、若者の投票率はあまりにも低すぎる。若者といっても、昭和のピーク時と比較すると、50歳以下の人は一貫して下がっている、と言って良いだろう。
台湾の人たちは、自国の選挙があると、大学を休んででも帰国するそうだ。日本からしたら考えられないことだろう。
選挙をオンライン化したら良いのではないか、という意見もあるが、それでは根本的なあまり問題は解決しない。
それ以上に国民の政治に対する関心を高めなくてはならない。関心を高めるためにはどうしたら良いのだろうか。
ひとつは教育の方法を変え、もっと当事者意識を持たせる学習が必要だと思う。政治や経済の授業になると、どうしても構造や仕組みの話ばかり学ぶイメージがある。当然それは大切なのだが、今世の中で起こっていることに関係した授業があまりにも少ないと感じる。
歴史の授業もそうだ。確かに歴史は大事だが、それに比べて現代史の割合があまりにも少ない気がする。結局、受験勉強の為の勉強でしかなくて、社会に出てもほとんど役に立たないものばかりである。もっとアクティブラーニングやPBLを取り入れて、政治に対する当事者意識を持たせる教育を行った方が良いのではないか。
また、既に社会に出ている人が当事者意識を持つにはどうしたら良いのだろうか。勉強し直すことが一番だが、そのような選択肢を持つ人は少ないだろう。
国際政治学者の三浦瑠麗さんは「生活に余裕のない人は政治に関心を持つことができない」とも仰っている。
そんな最中、例えば新型コロナの経済政策で自治体も様々な声を挙げているが、その中でも大阪府の吉村知事のメッセージは国民にかなり影響を与えていると思う。その要因のひとつが「分かりやすい」だ。
先日発表された、大阪の自粛解除の基準。内容も非常に分かりやすいし、国民に理解を得やすい。間違いなく、吉村知事が所属する「日本維新の会」の支持率は上がるはずだ。「分かりやすく、メッセージ性のあるもの」はひとつのキーとなるはずだ。
また、著名人が率先して政治のことを発信することが大事なのかもしれない。
まさに本田選手が言っていることは正しいと思う。影響力のある著名人が政治のことを語ると、それなりに批判をくらうはずだ。しかし、そうでなくては社会人を初めとする国民の多くの意識は変わらないと思う。
このような政治に関して発言すると、じゃあお前がやれよ、という意見がそれは本質的な意見ではない。大切なのは政治に対して意見を持つことであり、政治に対して無関心で、なんとなく政治の良し悪しを判断することこそ無責任である。それが民主主義というものである。
その意見が選挙で反映されるわけであり、今ではネットでも反映されるようになる。そのような国民の意見が先日、特別定額給付金の内容が変更したように、政策が変わることだってあるのだ。
夢を与える仕事、というのは、国民一人ひとりが当事者意識を持たせる、ということにも繋がるのではないだろうか。
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