オンライン授業に制服いるかな?
14日に39県で緊急事態宣言が解除され、徐々に学校再開の動きがある一方で、5月末まで休校、あるいは東京など再開の見込みが立っていない所もある。
4月に始まった長期間にわたる自粛生活を受け、オンライン授業で対応している学校もあるが、予算的に厳しく導入できない学校が大半である。
LINEの調査によると、全国の高校でオンライン授業が取り入れられていると答えたのは14%。国公立が9%、私立でさえ26%である。
全国で圧倒的に多くの予算を所持している東京都でさえ、4月時点でオンライン授業を実施している公立学校は港区だけだった。端末、家庭環境、セキュリティなどの問題点があり、すぐにオンライン教育に導入するハードルは非常に高い。
しかし一方で、オンライン授業については引き続き導入する検討をしなくてはならないだろう。
その理由として、まずこの20年で感染症の発症が増えている。それは環境変化により動物と人間の接触率が増えたなど、様々な背景がある。また、新型コロナの第二波、第三波がやってくる、という可能性もありえる。これらに対応できるよう教育機関も体制を整えていかなくてはならない。
そして第二に、デジタル化という時代の流れに日本が全然追いついていない。予算や教育の負担などの理由から、日本のデジタル機器使用頻度は世界から見ても圧倒的に低い。
インターネットが普及し、パソコンやスマホで仕事をするようになってきた一方で、教育機関のデジタル化は遅いと感じる。
世界では双方向型の授業がとられている中、日本の授業は一方通行型が昔から受け継がれ、未だにほとんど変わっていない。そのような授業はやがて、東進ハイスクールのようなビデオ型予備校で十分になってくる。
もちろん学校は、学問の成績を上げるだけを目的とする予備校とは違い、様々な要素が組み込まれている。だけれども、PBLやアクティブラーニングといった生徒主体の教育を取り入れないと、日本はどんどん置いてけぼりになる。
スマホは禁止?調べ物は紙辞書を使え?冗談じゃない。スマホは人間の拡張機能だ。学校の役割は社会に適応できるようになることだと思うのだが、スマホやパソコンは社会インフラとなっている中で、学校だけ使わないのは間違っている。様々な企業でオンラインツールが導入されている流れがある中、教育機関もそれに順応していかなくてはならないのは当然だろう。
そんな中で先日、「オンライン授業には制服は必要?」という記事があった。
「おいおい…」というのが率直な意見だ。
社会学者である宮台真司さんの著書「14歳からの社会学」には、学生の制服や校則についてこう述べている。
制服や校則という形が整っていることに安心してしまって、本当は解決しなきゃいけない大事なことがらを、手つかずのまま放っておくことになるんじゃないか。
と問題点がある一方で、
制服や校則があって「自分の学校はちゃんとしている」と生徒たちは一応は思えるから、しっかり学校生活を送れる一面もあるんじゃないか。
そのように述べた上で、
「生きる場所が違えば、感じ方も考え方も違う。みんなが同じ感じ方や考え方をしろと簡単にはいえないな」と思うようになった。(中略)
結果として立派な大人になれば、学校は役割を果たしたことになる。じゃあ、「いい学校」は立派な大人を生み出せるのか。必ずしもそうじゃない。学校がメチャクチャであればこそ、生徒が自分の足で立って考え、行動することだってありえるんだ。
と、自身の体験なども踏まえて述べている。
ちなみにその体験というのは、宮台さんの出身校、麻布中学・高校で、ルールに縛られ、不満たっぷりの生徒と教師が対立し、数ヶ月間授業がなくなるほどめちゃくちゃになった「中学高校紛争」という出来事だ。
その後、教師から生徒は見放され、生徒もどうしたら良いのか分からなくなっていた。しかし結果は歴代1位の進学成績を残したという。どうすればいいのか、自分たちで考え、自分たちで行動した結果が繋がった。
これらを考えてみると、制服が学校の役割に繋がるとは考えにくい。例え制服を着て、真面目に授業を受けても、それは立派な大人を生み出せるとは限らない。仮に制服を着ずに真面目に授業が受けられなくても、真面目に授業を受けなかったことが問題で立派な大人になれない、と言えるのか。僕は違うと思う。
そのような状況に陥っても対応できる能力を身に着ける教育をできる教師の方が理にかなっている。見かけの制服を理由に生徒が授業を受けないというのはこじつけではないか?
また、そろそろ軍国教練の名残りは止めたほうがいいと思う。安宅和人さんの「シン・ニホン」にも書かれていたが、軍国主義時代から残っている「気をつけ!」「前ならえ!」や制服と過度の高速が我々の個性を潰している気がする。
諸外国で制服を着ている学校は少ないし、日本だって予備校に通っている生徒は制服を着てない生徒も多い。上からの押し付けでなく、自分で何を着るべきなのかを判断できるようになった方がよっぽど本質を突いてないだろうか。
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