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本場で食べる寿司と活気と

おはようございます。
今日も食日記ご覧いただきありがとうございます。

お寿司と言えば何のネタを選ぶでしょうか。
僕は海老推しでスシローなんか行ったなら、甘海老に海老天のリピートを続けているだけですが。

お寿司。
それだけで幸なのですが。



今日の食日記

時々食べたくなるお寿司。生魚。

仕事帰りに、ふとお刺身を摘んでビールを飲みたくなれば、それはまさに“良い疲れ”と言えるだろう。溜まった疲れを癒せるのは、時にただただ好きな食べ物で、時に僕ら日本人の源流を流れる“いつもの”であったり、共通する“ちょっとの贅沢なもの”だったりする。

そんな好敵手こそお寿司なわけだ。

情けない話だが、僕はそんなにお寿司の経験がない。
回転寿司はもっぱらスシローで、父についていくほどで、何が美味しいのかなんてのはあまりわからず!冒険もせず、ひたすらに海老と海老天を食べる。ただそれだけ(ちなみに、仕事帰りに選ぶのは刺身の切り落とし。それも夜の19:00。安くて美味くて疲れが落ち着くの三拍子)。

先日富山に行った。
富山といえば、そう、お寿司。
“美味しいお寿司”が分かるんじゃないかと期待して、車を飛ばした。

ご褒美にしろ、そうでないにしろ、自分にとっての美味しいの基準が明確化されているものは期待外れもあるが、当たった時の喜びはひとしおだ。




今日のお店

長い長い道のりの先に、長い長い行列が待っていた。
まさか、こんなにも、、と観光客から現地の人が次から次に押し寄せるそのお店は「番やのすし」。


正直錆びれた飾り気のない素通りしてしまいそうなそのお店に、ここに入るのかと恐る恐る人を確認すれば、駐車場は30台もそれ以上も満車。

そして次から次に車はやってくる。
恐るべしだ。皆本物を食べたい心意気で無我夢中に集まってくるのだなぁ。

感心している間も無く席の予約をして待つ。

それにしても、これぞ本当のというか。
軽々しくはいえないが、これがお寿司屋さんなのだ、と。

そこらにいくらでもある回転寿司を比較するほど、僕は食べなれてもないし、もちろん美味しいと一言添えて食べ続けるのだが、客と職人の対話があちらこちらで行われているのは、一つのお寿司屋さんの文化なのだと、その本気を見せられた。


いわゆるデジタルパネルなどない(回転するお寿司はあるのだが)。
「今日は何が美味しいの?」「今日だけの獲れたては〇〇だよ」「今はブリが旬だからやっぱり食べてほしい〜ね〜」そんな会話がどこからでも聞こえてくる。

待っている時間は何時間でも続いて欲しかった。
そのくらい、自分にとってのお寿司(旬ものをいただくということ)はこんなにもサービスのある人情と熱い思いが眩しいほどに溢れている場所なんだと(一つ、デジタルデトックスはお寿司屋さんでも必要だ)。

一時間は経ったか、テーブル席に呼ばれると、さっきまでの観客はライブのど真ん中に放り込まれる。

初め多くは語らずに、こちらの注文を横目で気にする職人さん(もちろん他を捌きまくりながら)。
なんとなく目を合わせようとしながら、どんどん注文表に書きまくっていく。もちろん手書きで。

スピード感のある演出と客たちの空間は、あまりにも流動的で、全くついていけないのだが、とにかく今食べたい物、美味しいお魚を殴り書きし、ドンと自信を持って渡してみた(テーブルの誰も慣れていない中を引っ張るのは、お寿司が待っているから。これは根性だ)。

すると、花火大会の幕が開けたかのように、手の込んだまさに“今作った”一皿一皿が次々に手渡され、テーブルは一瞬で溢れかえった。

とりあえずの軍艦3種盛り。

ほわっと発泡スチロールのように軽い酢飯は、食べればしっかりと重みが出てくる。
くどくないあっさりと濃厚ないくら、とろみのある海老、マグロのきめを感じるネギトロ。
海苔もハリがあって一口一口がワクワクしてくる。


かまぼこのような厚焼き卵は、整いすぎだろうと。
ほのかに甘く出汁も効いていて、今作ったのか(脱帽)。

富山といえば、な白えびの天ぷら(無限のおつまみ。ポテトチップスくらい気軽に食べたい)。

ほわっとみがふっくら軽く、だ噛むごとに出汁が溢れてくる。
それでいて油気はあっさりで、レモンがまた上品な味に仕上げるのだ。

正直、写真を撮っている暇はなかった。
店内の混み具合もさることながら、なんせ職人さんの手捌きと一組ずつをきちんと見ていると分かる接客の愛に惚れ惚れしてしまって、そのお寿司屋さんの世界線に身を置いておきたかったのだ。

最後の赤海老は載せておこう(I LOVE)

パッツンパッツンなセクシー赤海老


ゴリっ!ゴリっ!と地響きのように体に響くそのぶりぶりの身は、食べたことないほどの締まり具合で、海老の味わいが口いっぱいに広がる。ただただ幸せであった。


本場のお寿司体験はあっという間で、とてつもなく濃密で。
美味しいだけじゃない、活気を食べた気で、本当に幸せだった。


美味しいひと時に、ごちそうさまでした。
では、また次回。




今日のお店:番屋のすし(富山県富山市上大久保923)



*Instagramでは暮らしにある食をすきなだけ発信しています*
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