野路菊日記~花占いしますか?
『人を待つ時の長さがもどかしく 花びらちぎる“来る来ない来る”』
人と会う時、待ち時間の長さはどうしていつも違うのだろう。
例えば、
好きな人に会う場合、前の日からドキドキして眠れなかったり。
「早く明日にならないかなぁ」
待ち遠しい時間は、長く感じる。
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまい、
短く感じる。
時間は平等に与えられているし、同じ速度で流れているはずなのに、
気持ち一つで長くも短くも感じるものだ。
昨年の秋、憧れだった野路菊を庭に植えた。
購入した時は花が終わっていて、葉だけの苗を庭に植えた。
「早く秋になって、花が咲かないかなぁ」
待ち遠しい時間を過ごしてきた。
花芽を持って、蕾になってからも長かった。
蕾はピンク色で、初々しい乙女のようだ。
少しずつ花が開き始めた。
花が開いて行く。
一年待って、花の美しい姿を見せてもらった。
野路菊よ、ありがとう。
「あの人は来る、来ない、来る…」
花がかわいくて、花占いが出来ない…
携帯がなかった頃は、待ち合わせの時間に間に合うように、早めに行って待っていた。
花壇の花を拝借し、花びらを一枚ずつちぎって、ドキドキしながら待ち時間を埋めていた。
今は、どこに居ても直ぐに連絡が出来るし、道案内もしてくれるし、便利なスマホがある。
花占いはしなくなったし、している人も居なくなった。
少しさみしいけど、かわいい花のためには良いかも。
花占いをしていたあの頃の時間は、長かったような気がする。