ネパール18日目:ワークショップ、学校建設、ムーン・プリント
11月24日(日)
めちゃめちゃ寒かった~
空気が澄んでいて気持ちいいのですが、昨日は曇りで気温も低く、夜から朝にかけてとても寒かったです。布団2枚、毛布1枚、さらにジャケットを着込んでなんとか寒さを凌いで眠ることができました。ただ、明け方は雲がかかっていましたが、太陽が昇るとともに徐々に晴れて行きました。
朝ごはんは、こちらの家の管理人のビルバードルさんと住み込みで滞在されているMateoさんに用意していただきました。バターと塩と紅茶の入ったヌンチャというお茶と小麦粉と砂糖をヌンチャで混ぜたものを朝食にいただきました。それに加えて、Mateoさんが先日まで滞在していた修道院でもらってきたというゴートチーズを乾燥させたものをいただくことができて、しっかりとプロテインも取れていい食事が取れました!
さて、今日はこちらの地域の学校へ伺う予定で、一応、学校の元校長先生と相談して9時15分頃に近くの学校まで来てくださいと言われていました。そこへ迎えに行きますからと。そういった予定をMateoさんにも伝えていたので、今日は一緒に行きましょうということで、8時45分に出発し、予定よりも10分ほど早くに学校の付近へつきました。元校長先生からは学校の近くの道で待っているとも言われていたので、この道で待つか、下に見える学校まで行ってしまうのか、迷いましたが、とりあえず学校へ行ってしまうのが正解だろうとのことで、降りて行きました。道をよく知らないまま降りて行ったので、学校へは裏から入ってしまい、朝食?早めのランチを食べていた皆さんと遭遇し、早速、ここであっているかを質問してみると、なんとかこの学校の校長先生と話ができ、一通り話は聞いているからここで大丈夫ですとのことで一安心。
しばらく時間があったので、学校を見学しているとここは「Professor Sakaiによって建てられました。」と教えていただき、追いていくと2015年の地震後に、日本の酒井教授はじめ、団体や個人の寄付で出来上がったということがパネルに書いてありました。一人一人の個人名や団体名が英語で書いてあり、それぞれの金額や総額も書いてありました。大体900万円くらいで建てられたようでした。実は奇遇なことに、私たちの訪問の4日前11月20日に酒井教授が再訪され、セレモニーが開催されたばかりだったとのことでした。
その後、歓迎してくれた先生方と挨拶を交わし、朝礼が始まりました。この学校の生徒数は大体70~80人くらい。みんなが校庭に集まり、朝礼、歓迎の挨拶、出席確認のカウント、国歌、地域の歌、クイズ、ブレイン・ジム、課題報告などして、みんなそれぞれのクラスに入って行きました。
ここで気になると思いますが、ブレイン・ジムって何ってなりますよね?これはラジオ体操みたいなものですが、頭と体の動きのコーディネーション力とストレッチやウォームアップを組み合わせたようなものです。私たちもやってみて、結構いい感じで楽しめました。
早速、校長先生に案内していただき、私たちが担当させていただいたのは4年生のクラス。といっても他のクラスから入ってきてくれた子達もいたので、多少年齢の幅はありましたが、早速、このクラスを40分か50分担当させていただきました。なぜ、「40分か50分」と言ったかというと、教えてもらっていた時間とは少しずれて、校庭にあるガスタンクで作られたチャイムが鳴らされて終業を告げられたからです…これは翌日も起こりました。
授業に通していただいた後は、さあご自由に授業をお願いしますといった感じで、Mateoさんと私だけ残され、授業開始!お~、自由!!ということで、あらかじめ考えていたアイデアを実践に移すことに。Kathmandu Universityの時もそうでしたが、こういった短期滞在の時は、私が教えるというよりは、生徒さんたちを先生、私を学生と捉えて、教えてもらったり、一緒に考えたりする手法が一番責任感も感じてもらい効果的だと思っています。もちろん、ある程度は最初の部分で情報提供をします。
このクラスの課題は、この地域にあるものをスケッチして教えてくださいというものでした。山、川、植物、動物、食べ物、行事などを描いて教えてください。そうしてもらえれば、私たちはこの地域のことをもっとよく理解できますといったアイデアです。私も自己紹介がてら、ホワイトボードに自分の名前やこの地域で見たものを描き、アイデアを理解してもらいました。また、限られた数しかありませんでしたが、持ってきていた色鉛筆やクレパスなどを渡して、みんなで共有してもらい、それぞれに描き始めてくれました。この授業中だけでは流石に終えることができなかったので、宿題にして明日持ってきてもらうようにお伝えして、最初の授業はおしまい!
そして、次のクラス、だいたい11時くらいから始まったと思いますが、7年生のクラス。生徒さんたちに聞く限り、12歳から15歳前後の学生が出席してくれていました。先ほど伝え忘れましたが、このクラスにも私が恒例のようにしている「似顔絵で出席確認」をお願いしました。これがいつもなかなか好評です。きっと、効果があると思いますので、何かの機会で真似してみてください。
さて、このクラスは少し高学年ということもありましたので、「普段の生活の問題を書き出してください。または、人生でやりたいことを20個書き出してください。」というものにしました。みなさん一応、私のお伝えしたことを理解してくれましたが、突然の訪問者ということもあり、かなり戸惑っていたようで、すぐには課題に取り組むことができない学生もいました。似顔絵を描くことに一生懸命な子がたくさんいて、なかなか課題まで行けない子もいました。一人一人とコミュニケーションを取り、課題の進捗を確認したところで、授業終了。明日、また来ますから、宿題として、明日までにやって持ってきてね~と伝えて、この授業を終えました。
その後はこの学校の校長先生と再会し、次の学校へ行くことに。今回の学校での授業をコーディネーションしてくれた元校長先生Chungba Lamaさんが待っているところへ。20~30分山道を歩いて見えてきた集落の中心地にありました。周辺には修道院やストゥーパ、住宅などが散見されました。Mateoさんはすでにこの辺りは来たことがあるとのことでしたが、学校には入ったことがなかったようでしたが、早速、門をくぐったところで、Chungbaさんが校内から私たちの声に気付き出てきて歓迎してくれました。挨拶を交わし、職員室へ迎え入れていただき、先生方をご紹介していただきながら、お茶やお菓子をいただいて、授業が始まるまで少し待機しました。その間、アートの授業を担当する先生が子供たちが書いた絵を見てくれました。この前、鳥をテーマにした課題を出したということで、子供たちが書いた鳥の絵を見てくれました。いい感じの絵の数々!しばらくして、じゃそろそろ行きましょうと行ってとしていただいたクラスは小学校1年生前後の子たちがいるクラスでした。
このクラスは流石に英語だけではコミュニケーションができないので、Chungba先生も通訳として同席してくださり、アートの先生ともう一人の先生も同席してくれました。さっそく、授業をどうぞとのことでしたので、こちらでもあらかじめ考えておいたアイデアを実践することに!先ほどの授業でもやった「この地域のことを絵に描いて教えてください。」という課題。まずは私やMateoさんの自己紹介をしつつ、この地域には何がありますか~?と質問しながら、この地域には山があったり、Takがいたりしますよね~とホワイトボードに絵を描いて行きました。静かに聞いてくれる子供達でみんなとても楽しそうな笑顔で聞いてくれました。アートの先生がみんなにいつも使っている画材や紙を渡して、それぞれにお絵かきが始まりました。
一人一人の創作を見て回り、同時にアートの先生やChungba校長先生にバクダプールで出会ったカレンダーを紹介しました。バクダプールにある地元の紙を使い、子供たちが描いた絵をシルクスクリーンでプリントし、色塗りされたカレンダーです。収益が小学校に割り当てられるということを聞きました。私がずっと興味のある創造性が収益に繋がるエコシステムです。
先生方にこの地域に紙を作っていたり、プリントできるところがあれば、子供たちの描いた絵を活用してカレンダーを作れば、アートのクラスとしても学びが多い体験になるし、旅行者などに販売すれば、ちょっとした良いお土産にもなるし、収益が得られるかもしれませんよと伝えました。そしたら紙を作っているところが一ヶ所あるし、修道院で印刷もできるはずと校長先生やアートの先生もみんなとても興味を持って、その場で検討し始めてくれました!
今日やりたかったことやできることを全て終えて、また明日も来ますねと子供達に伝え、この授業は終了。
その後、Mateoさんも行きたがっていた図書館へ行くことに。Chungba先生が直々に案内してくれ、施設見学ができました。コンピューターの部屋やプロジェクターを備えた会議室などもあり、とても充実した施設でした。ところどころに日本の国旗のシールが貼られた備品hがあったので、見てみると日本の団体や個人からの寄付で備えられたものとのことでした。蔵書の中には先述した酒井教授の出版物もありました。地質学者としてこの地域に30~40年前に来られて、2015年頃には先ほどのように学校を建ててこの地域にご尽力された内容の本でした。
図書館一階の蔵書の傍には地域の子供たちがお年寄りからお話を聞いて編集された出版物があるから見てくださいとChungba先生が紹介してくれました。こちらも日本の団体がお手伝いして出来上がったようでしたが、挨拶文の英語以外は、全てネパール語で書いてあって読めませんでしたが、子供達の書いた挿絵が何枚もありました。その中に一枚興味深い絵がありました。実は、最初の学校にいる時に、この地域の名前である「Junbesi」の意味を聞いたところ、Moon Printというものを由来にしているという話を聞いていました。月の形が刻印された石があるから訪れてみてはと言われ、普段から月に興味があったので、絶対に行かなければと思っていた矢先のことでした。この冊子の中にまさしくその絵が書いてあったので、イメージが掴めどこにあるかを聞いて見に行くことにしました。
ここまで来てお分かりだと思いますが、Chungba先生は元校長ではなく、現役の校長先生でしたので、学校へ戻らなければいけませんでした。Chungba先生を引き継いで、図書館で働いていた息子さんが地域の修道院へ案内をしてくれました。ここへ来たかった理由は、先ほどのカレンダーのアイデアが実現するための印刷ができるかを確認するためでした。435年ほど前に建てられた仏教修道院ということでこの地域最古のもの。しっかりと見学ささせていただきました。ただ、ここを管理されている僧侶の方と話して見ましたが、どうもここでは印刷はやっていなく、僧侶の知人がやっているとことでした。
追加情報ですが、先日Mateoさんと話していたところ、この地域には中国との領土問題などでチベットから越境避難してきた仏教僧侶たちが多くいるということも知りました。ネパールの複雑な歴史や政治のことを知ることができ、新たな視線を持つことができました。
さて、その後、Mateoさんは図書館を利用したいということで、私だけ先程の月の形が刻印された石を見に行くことに。20~30分で着くよとのことでしたので。言われた方向へ歩いていくことに。開けた山道を歩いていたら、なんとなく見慣れた景色。2年前にスイスのスクールの山道を歩いていた記憶が蘇りました。どちらも標高の高い山のある国。
どこにあるかわからないまま、しばらく歩いていくとそれらしいところに着きました。ただ、先ほどの出版物の絵とは少し違う。そのあたりの人を探して来てみることに。話だけでは伝わらないので、先ほどの出版物の絵やメモを使って聞いてみると確かに少し前に通ったところだと教えてくれました。戻ってじっくり確認して見ましたが、やっぱり少し違う。まあ、これなのかなと思って少し別の道を通って帰ろうとしたら、絵で見たような風景が!あ、これだ!と思って注意深く石を見てみると確かに三日月の形が刻印された石がありました!感激!本当にあった!!嬉しかったので、もちろんセルフィー!
満足したところで図書館まで帰り、Mateoさんと合流。実はこの日はMateoさんの誕生日。フランスの両親や兄妹と電話したかったみたいです。ホストのSherpa家族からもヴォイス・メッセージが届いていたようです。
帰り際にはJunbesiの売店で地元で蒸留されたKiwiワインを購入し、Dhaputi Houseへ戻り、私も誕生日プレゼントを渡して、Mateoさんの誕生日をお祝いして賑やかに過ごしました!