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あんた!人の話、ちゃんと聞いてたの?

「あんた!人の話をちゃんと聞いてたの?」
コールセンターで働いたことのある人なら、何度か言われる言葉ではないでしょうか。


的外れな対応は、お客さまのせいではない

質問に回答したり解決案を提示したりしたつもりが、全く的外れだったときのお客さまの反応です。

「だって、お客さまがこうおっしゃったんです。」
「いえ、お客さまはそんなことおっしゃいませんでした。」
応対者は、必死になって私に訴えます。

しかし、そんなとき私はこう言います。

お客さまは言葉のプロではありません。
言葉のプロはわたしたちです。

もちろん、私が応対していても、同じ言葉を言われることはあります。
そんなとき、こう言います。

申し訳ございませんでした。
もう一度、お話を伺わせていただけませんか。

このように伝えると、ほとんどのお客さまがもう一度話してくださいます。
これを、私は美容室で学びました。

美容室にて

以前、髪を切ってもらったときのことです。

新人さんが、一生懸命私の髪を切ってくれたのですが、鏡を見せられてもどうもピンと来ません。
どこかが少し長いとか短いとかというのではなく、なんとなくイメージが違うのです。

そこで私は正直にそう伝えました。
すると、先輩美容師がこう言ったのです。

「お客さまから“違う”と言われたら、一度自分が作ったイメージを捨てて、ゼロからもう一度お客さまの希望を聞きなさい」

私はこの言葉を聞いて感動しました。

まっさらな気持ちで聞く

お客さまの主訴や気持ちと自分の理解が食い違ってしまったとき、人は、“え?こういうことじゃないの?”“どこが違ったの?”という気持ちで食い違っている部分だけを埋めようとしがちです。

でも、そうではないのです。
一度、自分が理解したと思ったものは捨てて、ゼロから聞き直す
本当に先輩美容師の言うとおりです。

食い違いを埋めようとする行為は、お互いを溝の“こちら側”と“あちら側”に置く行為です。
またそれは、どこが食い違っているのかをお客さまに探させる行為です。

そうではなく、自分が作った足場を捨てて、お客さまの側にもう一度駆け寄るのです。

コールセンターの仕事は感情労働だから精神的なストレスが大きい仕事だと思われているかもしれませんが、人と触れ合う仕事であれば、どんな仕事であれ、きっと本質は同じなのだと思います。

それでは、また。

コールセンターで働いている人は、どんな難しい話も理解できる頭のいい人と思われがちですが、そんなことはありません。
電話をくれた人に誠実に向き合うことができる人が、コールセンター業務に向いている人だと私は思います。
それならコールセンターで働いてみようかと思われたなら、まずは講座を受けてみませんか?
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世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。