
電話が怖いという人へ
ほんの数十年前までは、各家庭に固定電話があり、個人宅に電話をすると家人が出るので目的の人に取り次いでもらう必要がありました。取り次いでくれるのは目的の人の親である場合が多く、その人に嫌われては取り次いでもらえませんからそれなりに気を遣ったものです。
しかし、スマホの普及によりそのような経験を一切したことがないという若者も増えました。そういう人たちにとって、電話というツールは多少の恐怖を伴うもののようです。
だからといって、電話は怖いものではありません。
「いやいや、怖いんだってば!」と言いたい人もいるかもしれませんが、それは電話が怖いのではなく、知らないものが怖いだけですよね。
入学だって転校だって入社だって、今までと異なる人間関係が始まると思えば怖いものです。
書類に金額を記入していくだけの仕事であっても、自分のミスが会社にとんだ迷惑をかけるかもしれないと思えば怖いものです。
ただ、実際に経験し、慣れていくことでだんだん恐怖心は薄れていきます。
では、恐怖心はなくなったほうがよいのでしょうか。
そんなことはありません。
必要な恐怖もある
慣れることで、不要な恐怖心は無くなっていくでしょうが、一定の恐怖心は残りますし、それは失ってはいけないものだと思います。
それはたとえば以下のようなものです。
「次の電話では、いったい何を質問されるんだろう」
「自分の対応が悪くてクレームになってしまったらどうしよう」
「自分が相手の質問の意図を読み違えて、間違った回答をしてしまったらどうしよう」
「自分が覚えている情報が変わっていて、古い情報を伝えてしまったらどうしよう」
「自分には何も言われなかったけれど、実は自分の対応に不満で別のところにクレームを言っていないだろうか」
もし、このような恐怖を何も感じなかったらどうでしょう。
その人は少しの時間を惜しんで業務知識を増やそうとするでしょうか。
どんな相手にも全力で傾聴し、最大限の配慮をしょうと思うでしょうか。
王貞治は「恐怖心を持っていない人は本物じゃない。その怖さを打ち消したいがために、練習するわけです」と言ったそうです。
野球だろうが電話応対だろうが、恐らくはどんな仕事でも同じことだと思いませんか?
ぜひ、その恐怖を失わず、よりよい電話応対を目指して努力を続けてください。
それでは、また。
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