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愚痴は、i'm ok & you're okへ戻るための避難所である

コールセンターでの仕事は、どんなお客さまに対しても敬意を払わなければいけません。

でも、そう思えないときには愚痴を言いましょう、と前回書きました。

自分では当然のことを書いたつもりで何度読み直しても違和感がないのに、コメントをもらい、もらったコメントを読み直しながら自分の記事を読み直すと、なんとも独りよがりな思い込みで書いていたように読めてくるから不思議です。

愚痴と悪口の定義も差異も明文化しないまま筆を進めており、
お客さまに悪口を言い、会社に文句を言いましょうと煽っていると思われてもしょうがないような内容に見えてきました。

そこで、今回は前回の続編です。
よろしくお付き合いくださいませ。


i'm ok  you're ok

「i'm ok  you're ok」とは交流分析を提唱したエリック・バーンの言葉です。※交流分析については、こちらをご覧ください。

この言葉は、よく、こんな表とともに提示されます。

Excelで作ってみました。右回りか左回りかの違いはあれど、大体こんな感じです。

もちろん、
①の「私もOKi'm ok あなたもOK you're ok」が一番幸せでしょうし、
④の「自分もあなたもみんなキライi'm not ok  you're not ok」では、自爆テロでも起こしかねません。

さて、コールセンターの仕事はどれに該当するでしょうか。
お客さまを常に尊重しなければなりませんから、
②の「自分はダメi'm not okでも他者肯定 you're ok」に該当するのではと考える人が多いかもしれません。

しかし、私はそうは考えません。

自己否定をする人に、お客さまは尊重できない

お客さまを尊重する主体は、オペレーターです。
お客さまの話を聞く耳を否定して、どうして話を聞けるでしょう。
お客さまの気持ちに寄り添う心を否定して、どうして共感できるでしょう。

そう考えると、コールセンターの仕事を全うするためには、①でなければならないのです。

でも、お客さまから、あらん限りの罵詈雑言を浴びせられたり、大きな声で脅されたりすると、①の状態を維持するのが難しくなります。

そんなとき①「私もOKi'm ok あなたもOK you're ok」の世界の中に、避難小屋を作ります。

i'm ok を回復するために、 you're ok をちょっとだけ置いておく

お客さまや会社の悪口を言うのが③「こっちかて人間やぞi'm ok。お前らいい加減にせえよ you're not ok」だとすると、
愚痴は、①の世界からは出ないんです。
①の枠組みからは出ないようにこっそり、そして周りもそこに一時的なシェルターを作ってあげたうえで、愚痴 you're not ok(仮)を吐き出させてあげます。

それは、「そうだそうだ、会社が悪い you're not ok、お客さまが悪い you're not ok」を一緒になって言うことではありません。※こんなことをしたら、相手を③の世界に押し込んでしまいます。

それは、「そうだよね you're ok、あんなこと言われたらつらいよね you're ok悔しいよね you're ok悲しいよね you're ok」です。

「あいつ(会社やお客さま)が悪い you're not ok(仮)」を吐き出して、
「あなたが感じたことは全て正しい you're ok」を受け取ることで
「i'm ok」を回復し、受け取った「you're ok」をまたお客さまにお渡しするのです。

愚痴と悪口の違いがきちんと説明できたでしょうか。
それでは、また。

P.S.

それでは、お客さま(特にクレームのお客さま)はどこに該当すると思いますか。

これがテストの回答なら、③「俺が正しいi'm okお前が謝れ you're not ok」の一択でしょう。

でも私は長年コールセンターでクレーム対応をしてきた経験から、ちょっと違う考えを持っています。

これについては、また次回。

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のどか
世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。

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