共感すれば感情は落ち着く
前回は、どれほど大きなクレームであっても、対応を変えてはいけないという話をしました。
このような話をクレーム対応研修で行うと「本当にそれで収まるんですか?」と信じられないという顔で質問されることがあります。
そんなとき私はこう言います。
今思い返してもはらわたが煮えくり返るような話はありませんか?
最近の話でもいいですし、過去の話でもかまいません。すっごく嬉しい話でもいいのですが、クレーム対応研修なので、できれば腹が立ったことがいいですね。この場で話せることはありませんか?
このように質問し、話してくださる方には、共感的に話をお聞きします。
先日の講座でも、話してくださった方がいました。
ひとしきり話を伺ったあと、感想をお聞きしました。
え?今のがそうですか?
最初の感想が「え?今のがそうですか?」でした。
これは、大成功の証です。
それだけ、自然に話すことができて、聞き手がいることが気にならなかったし、不自然な聞き方ではなかったということですから。
「そうですよ。先ほどご説明したスキルしか使いませんでしたよね。」
そう答えると、その方は少し振り返ってからこうおっしゃいました。
「今まで、友人にも同じ話をしたことがあります。でも、そのときはこんな気持ちにはなりませんでした。
そのときは、友人も『それはひどいよ!』って。だから私も『そうだよね!あんなことひどいよね!』ってすっきりしたけど気分が盛り上がるというか……。
でも今は、とても落ち着いた気持ちです。」
クレーム対応は、まずこのように落ち着いてもらい、それから具体的な話をしたほうがいいのです。
それでは、また。
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世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。