2050年、高齢化率40%の過疎地をゼロカーボンで住み続けたいまちにするのは、わたしたち10代!
全国でも稀有なとりくみ、ゼロカーボン推進に特化した若者議会「都農町ゼロカーボンU-18議会」が3月24日(金)、都農町議場で開催。小中学生選抜チーム「Green Hope」による「木と花を植える」提案と100万円の予算申請が満場一致で可決されました!
1.ゼロカーボンU-18議会の創設
ゼロカーボンの一つの目安、2050年。その時代のまちづくりの当事者は、いまの町長や議会ではなく10代。ゼロカーボンに特化して10代がまちづくりの当事者になれるしくみづくりを目指しています。
都農中学校の総合的学習の時間「つの未来学」で中学生が提案した300個のゼロカーボン施策アイデアがきっかけとなり2021年9月に都農町がゼロカーボンタウン宣言を表明。
具体策として、都農町の小中学生選抜チーム「Green Hope」を結成、毎年3月、18歳以下の若者が町にたいしてゼロカーボン政策の提言をする「都農町ゼロカーボンU-18議会」が創設。
昨年の議会の様子はこちら↓
2.木と花を植える→植えた
議会でGreen Hopeより提案内容を30分で説明。
冒頭で、議員のみなさんに自分たちの活動をイメージしてもらいやすいように、GreenHopeとつの未来財団で主催したイベント「みちくさ市」の映像を紹介。
次に、昨年の提案を振り返り
今年度、自治会が商店街に100台設置を予定していた花のプランターづくりにGreen Hopeメンバーがボランティアで参加。
「みちくさ市」で1人5人以上、Green Hopeの活動を広めていきました。
名刺も作成しましたよ!
他校の小学生たちとも一緒に1,000本のスイートピーでフラワーアートづくり
地元の三鍋種苗店さんのレクチャーを受けてから、町の人たちと一緒に、商店街のプランターのお花のお世話もはじめました
商店街の真ん中の空き地にフラワーベンチもつくりました。
昨年提案した「木と花を植える」が着実に「木と花を植えた」実績へ。
3.木と花のお世話予算、可決!
今年、新たに提案する内容は、商店街に設置したプランターの花をお世話するボランティアチームの結成と、Green Hopeの活動をさらに広めていくために実施する「みちくさ市」開催に必要な予算です。
5つの提案。種や苗、花の購入や制作費が発生する提案②から④に対して、合計100万円の予算を申請しました。
8名の議員、町長・副町長、町役場の課長も真剣に提案を聞いています。
本議会と同じ流れで、事前に提出した「提案書」の内容に対して議員からの質問に。
質問は合計で13問。
昨年は、お互いにはじめてのことで、議員さんも緊張すると言いながら、どこかぎこちなさの残る質問や、どこまで大人と同じように聞いていいか戸惑ってる様子も感じられました。
昨年の子どもたちの受け答えが堂々として素晴らしかったこともあり、今年は議員さんも自然体で、すごく的確で温かみのある質問が多い印象を受けました。
質疑を入れて約40分ほどの議論を経て議長より可決の宣言。
最後に、リーダーの2人より、町長に提案書を手渡して、今年度のゼロカーボンU-18議会を終了しました。
黒木奏音さんから町長に。
最後に、町長から一言
4.20回以上の話し合いとイベント2回
今回、提案したGreen Hopeの9名を紹介します。
昨年のGreen Hope結成時から2年連続で参加した2人。すでに来年度も3年連続の参加意向を表明w
リーダーをつとめた6年生2名。
2022年の5月から、Green Hope2期生の募集を開始。昨年からの継続参加、立候補、学校からの推薦などでメンバーが集まっていきました。
7月22日にGreen Hope第2期を結成、3月22日のリハーサルまで合計22回の話し合いと2回のイベント「みちくさ市」を開催してきました。
Green Hopeの活動は、ゼロカーボンを推進するというテーマは決めていますが、それ以外はすべて小中学生の主体性に委ねています。
(GreenHopeの取材記事)
最初から大人がゴールを設定していないので、時々迷走も。
ぼくらからある程度の方向づけはしていきますが、まったく発言が出なかったり、出席者が減っていったりで小中学生は正直です 笑。
もんもんとするときもありましたが、「木と花を植える」場所を商店街に決めて、商店街の人たちとワークショップを開催、イベントをすることに決めて小中学生が「みちくさ市」という名前を考えたぐらいから、見違えるように意見が出はじめて、笑いの絶えない、楽しいチームになっていきました。
5.議会・教育委員会・役場・民間の連携
最後に、舞台裏の活動を少々。
Green Hopeの活動は、ぼくらイツノマが、つの未来財団からの委託を受けて企画推進しています。
昨年は、ぼく自身が企画を立て、ファシリテーションをしながら試行錯誤してイツノマのメンバーと一緒につくっていきました。
今年はイツノマの渡邊佳さんに一任(まる投げ?笑)
メンバー募集のチラシデザインから、プログラム企画、小中学生とのコミュニケーション、つの未来財団や都農町教育総務課との窓口など、一人完結!
昨年より確実に小中学生との距離が近づいて、より楽しい雰囲気になったのは20代が仕切ってくれたからと実感。
もう一人の20代、イツノマの黒木翼さんは、地元出身ならではの相談しやすさで、年間とおして、小中学生たちの応援団。すべての写真・動画撮影。
最後の打ち上げでは、直筆でみんなに心のこもったメッセージを。
この活動を牽引、支援しているつの未来財団の山内大輔さん、そして、都農町教育総務課の中西浩美さんのお力添えなしには実現できませんでした。
心より感謝します。ありがとうございました!
山内さんは、活動予算の捻出からはじまり、役場、議員と交渉、調整をしていただきながら、前例のない「ゼロカーボンU-18議会」を創設。
中西さんは、小中学生の募集から、車での送迎、お菓子の差し入れ、しめるときはしめる絶妙なバランス。ご家族との信頼関係のもと安心感ある運営。
このように「官教民連携」ともいうべき、議会、教育委員会、町役場、民間企業が小中学生と一緒になって未来のまちを考えていくことは必ずプラスになっていくと信じています。
ゼロカーボンU-18議会をきっかけに、このような連携が他のまちづくりの活動にも展開していくと、2050年の都農町への期待値が高まります。
来年の3期生募集は進化させ、都農中学校で地域クラブを創設するところからスタート、さらなるチャレンジを誓います!
(参考記事)
(Green Hope結成記事)