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授業において、子どもの声を拾うこと

教育実習生から質問をもらいます。
とても熱心に実習に臨んでくれています。
質問というのは、子どもへの接し方、授業のこと等です。
特に、実習生の授業後に「あの場でどうすれば良かったのでしょうか」という質問が多いです。

子どもの声を拾って授業を展開しようとすると、発言が多すぎて収拾がつかなくなる。けれど、教師が全て引っ張るのも何か違う気がする、といった内容です。
私自身が、授業においてどうやって子どもの声を拾っているのかをふり返ってみます。小学4年生「ごんぎつね」で問いの価値を考えている場面です。

問いについてふり返り、その価値を考える

C:子ども T:授業者
C1:前まではいたずらばかりしていたけど、うなぎをとったあとから栗や松茸を持っていって優しくなったから普通にごんのきもちを考えたくなった。
T:(ごんが優しくなった」という発言を拾って)ごんは、優しくなったの?
C2:つぐないだね。
C3(つぶやき):優しくなったんじゃない…。
T:(つぶやきを拾って)「なったんじゃない」って言った?元々優しかったの?
C2:いたずらした後に優しくなったのはちょっと違う気がしてて、ゴンが優しくなったっていうのはまた別の考えで。ごんはいたずらぎつね、いたずら好きで、おっかあが亡くなったときから償いをし出したってだけで、償いをしたと優しくなったは違うと思う。ただあやまりたかっただけだから…。C3:違う!優しくない。似てる。ごんはいたずらをして、したらこういうことが起こるってことが分かったから、もうこういうことはしないって思うだけで、優しくはなってない。
T:はい、C3さんが言ったこと分かった?いたずらをするとこういうことが起こるって。こういうことってなんですか?

子どもの発言を聞きながら考えていること

問いの価値について考えると、自然と読解をしているのが分かります。
子どもの声を聞きながら、自分が何をやっているかというと…
・子どものつぶやきが聞こえる。
      ↓
・その子のつぶやきが、今話し合っている(あるいは取り組んでいる)内容とどのようにつながるのかを考える。または、前時までに学んできたこととのつながりを考える。
      ↓
・「〇〇さんの発言は、こことつながるね。」といったように、学習課題とつぶやきをつなげていく。(発言を価値付ける)

大体は、このようだと思います。
そこに授業経験や教材研究した内容、話し合いを価値あるものにする要件等も考慮しています。
当然、その授業のねらいとどう関連しているのかも考えます。
「この時間は、登場人物の気持ちを考えることに主軸を置いている。この子は、ごんの気持ちについて話しているが、兵十との出来事も含めて考えている。第6場面の叙述を基に発言しているけれど・・・あ、今第1場面のことを話したな。物語を俯瞰的に読んでいる、その価値を学級全体にどう話そうか・・・。で、何を板書しよう?」
このようなことを、他の学年、他の物語文、または他の具体的な授業場面でも考えてみるとおもしろそうです。

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