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コーチング〜日常のマインドフルネス〜
コーチングをするにあたって、マインドフルな状態でいることはとても大切になります。
なぜなら、
『こうなりたい』や『こうありたい』という心の中にある思いを取り扱うコーチングというコミュニケーションにおいて、相手がリラックスした状態で話ができるということはとても重要だからです。
そのために、コーチ自身がリラックスし、相手の心がほぐれる環境づくりを心がけます。
下の表は脳波を区分したものです。
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コーチがベータ波やファストアルファ波を出したような状況だとすると、クライアントにはどんな影響があるのでしょうか?
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一見、コーチングのように見えてもこのような状況が生まれてしまうことになります。
話さなければならない。
もしくは、この人には話したくないな。
これではコーチングは成立しません。
では、コーチがミッドアルファ波のようなリラックス状態でいるためには、何ができるのか。
それがマインドフルネスです。
私のマインドフルな状態の作り方
私の日々の実践をいくつか紹介します。
禅とマインドフルネスは関連しているので、いくつかは私の好きな禅語とセットにしています。
5分間瞑想
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私は起きてすぐ、寝る前、ちょっと隙間があるとちょこっと5分間瞑想をします。
坐禅を組んで(体が硬いのでほぼあぐら)手を上に向けて、ゆっくりと腹式呼吸をします。
呼吸にだけに集中し、頭に浮かぶイメージはさらりと受け流していきます。
これは、たった1分でも効果があるので、仕事で心に焦りを感じたときには、1人で静かに目を閉じて深呼吸をするようにしています。
喫茶去(きっさこ)
ゆったりお茶をする
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コーヒーを淹れる時間が私は好きです。
毎朝、豆を挽き、お湯の温度を調節し、丁寧にドリップします。その時のコーヒーの香りに神経を集中させると、心がほぐれます。
珈琲の香り、味をしっかりと味わう時間はまさにマインドフルになる時間。
職場では、白湯を水筒に入れておき、一口ゆったりと飲んでホッとしたり。
ドリップコーヒーを少し時間をかけて丁寧に淹れて、飲んだりします。
空を見る
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毎日自転車で通勤します。
すると、空が同じ表情をしている日はありません。
優しいなあ、ホッとするな。
時には、ソワソワするな。
なんて、思いながら自分の心の状態を感じることができます。
教室の窓から見える空も好きです。
空をじんわりと眺める時間は、短くても心が調っていきます。
歩き禅
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歩き禅、なんて言っていますが
ただ歩くだけです。
これが私はお気に入りです。
元々猫背で、ポケットに手を入れたり、腕を組むくせのあった私ですが、
今は背筋を伸ばし、遠くに目をやり、一歩一歩優しい音で歩きます。
階段なんて段を見ずに登れるはずなのに、急いでいるとすぐに目を落として歩いている自分がいます。
何気ないその一歩一歩を、自分の心を感じとる丁寧な一歩にすると、自然とマインドフルな状態になっていきます。
脚下照顧(きゃっかしょうこ)
靴をそろえる
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子どもにはよく言いますよね。
これが、私は本当に苦手でした。
だから、靴を揃えなさいと言うのも苦手でした。
ただ、最近はトイレに入る前に脱いだ靴を手で揃え、トイレを終えたあとのスリッパも手で揃える。
その一つの行動が丁寧にできている自分を確認するようにしています。
あ、大切にできてるな。
あ、焦ってるな。
この小さな一つの行動で自分の心の状態を確かめ、調えなおすことができます。
和諺愛語(わげんあいご)
和やかな表情で愛ある言葉を
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私の大好きな言葉です。
子どもたちが登校してきたときの私の表情はどうだろうか。
おはようの一声はどうだろうか。
今日も来てよかったと思えるような言葉をかけているだろうか。
朝は特に、自分の一つ一つを確認します。
朝、黒板に温かな言葉を書くと、さらにマインドフルな状態になっていく実感があります。
私の表情、私の発する言葉、声。
その一つ一つが相手が話したいと思える空気感をつくっていくことを自覚し、意識しています。
このように、日常の中にはたくさんマインドフルネスな状態になれる時間があります。
常にできているわけではない。
いつも調っているわけではない。
だからこそ、自分を点検しておきたい。
そういう自分を発見したら、相手が話したくなるような自分に近づくチャンスだなと思うようにしています。
コーチングに関わらず、
私は相手が話したいことを話せる相手でいたい。
子どもは相手のことをよく見ていますし、
大人は自分のことを話すのは少し照れてしまう。
そんな気がしています。
相手の心がオープンになるような状態づくり。
それが、コーチングにおけるマインドフルネス。
ぜひ、みなさんも実践してみてください。
自分の心もスッキリし、今大切にしたいことに集中できること間違いなしだと思います☺️