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人生の選択肢に正解はない
人生の選択肢に正解はないと気付いた日から、肩の力が抜けていきました。
無理に背伸びするより、自分らしい生き方を追求する姿勢が、私の人生観の核になっています。
特に人間関係においては「選択的集中」を大切にしています。
かつては社交の輪を広げることが美徳だと思っていましたが、深夜の飲み会で疲弊したり、苦手な人と無理に親密を装ったりする行為が、逆に心をすり減らすことに気付いたのです。
今では仕事上の付き合いはプロフェッショナルな線引きをし、本当に心から大切に思える人々にこそ時間を注ぐよう心掛けています。
自己成長についての考え方も変わりました。弱点克服より強み拡大という発想は、まるで庭師が枯れかけた枝に水をやるのではなく、元気な芽に光を当てるようなもの。
コミュニケーション能力にしても、八方美人になるより、自分らしい表現方法を磨くことで、自然と波長の合う人々が集まってくることを実感しています。
この生き方の転換は、ある日突然訪れたものではありませんでした。
毎朝鏡を見ながら「今日も無理して笑顔を作る必要があるか」と自問自答する日々を経て、徐々に自分を縛っていた鎖が外れていったのです。
もちろん時には周囲とのズレを感じることもありますが、偽りの自分を演じ続ける消耗感より、自然体でいられる安らぎを選びました。
現代社会は「完璧な人間像」を求める風潮がありますが、本当に大切なのは不完全な自分を受け入れ、その中で光る部分を見つけることではないでしょうか。
エネルギーは有限ですから、他人の期待に応えるために使うのではなく、自分と大切な人たちのために使うことで、人生の彩度が確実に上がっていくのです。