熊野古道伊勢路を歩くday5#4
荷坂峠は降りるところから始まった。
僕は知らず知らずのうちに荷坂峠がある山を登っていたようだ。
熊野を目指す道中で、ツヅラト峠よりも荷坂峠の方が楽だと言われる所以であろう。
とは言うものの、少しばかりの緊張感を胸に、気を引き締めたつもりでストックを握りしめた。
先日歩いた三瀬坂峠の登り口に置いてあった杖を見て、ネットで色々調べたところ、トレッキングストックを持って歩くだけでも随分と楽ができるとの事。体力もなく普段から運動をしていないにも関わらず、無駄な自信だけはあったのだが、念には念をと、Amazonで買っていたのだ。
下り坂とは言え、ストックは充分役にたつ。やや細めの道をストックを付きながら足を滑らせないように歩くことができる。
遠くには長島沖の海が青く広がっている。
なるほど。この景色が荷坂峠の魅力なのだろう。しかし、絶景に目が肥えた僕には何か物足りなさを感じていた。とは言え、海が見えるとテンションは上がる。
木の間を掻い潜りながらさらに進むと、沖見平と呼ばれる展望所がある。
なんでも、地元のボランティアの方たちの手によって海を望む休憩所を作ってくれたそうだ。
ここから観る長島沖の海は確かに良かった。
沖見平で一息つき、更に道を進んだ。
山道を降りる服装として、僕は色々心掛けている。
まずは長袖。暑くても長袖を着るようにしている。日焼け防止にもなるが、虫や植物のカブレからも守ってくれそうだからだ。
次に帽子。頭の大きい僕に似合う帽子はない。けど、頭を守る大切なアイテム。これからの時期は強い日差しからも守ってくれるのだ。
次はメガネ。サングラスでも伊達メガネでもなんでもいい。小枝を避けて進むときに思いもよらぬ方向から小枝が飛んでくる時もある。できれば顔に密着しないタイプの方が曇りにくいのでおすすめだ。
沖見平から本来の古道に戻ると、明治道と江戸道の分岐点が幾つか続く。
どうやら、江戸時代に作られた道は険しく大変なので明治に入ってからナルい道を作ってくれたそうだ。
元々ツヅラト峠から楽な道をと荷坂峠ができた。更に楽になるようにと明治道に別れたそうだ。
多くの先人たちの苦労に感謝しながら明治道を選びながら先への進んだ。
途中長八茶屋後を見つけだが、看板に三本松とあるがどこが松なのか分からなかった。
この辺りまで来ると、もう少しで荷坂峠も終わる。
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