熊野古道伊勢路を歩くday1#3
伊勢自動車道をまたぐ道の脇には、少し長めのベンチが置いてある。
少し、腰を下ろして休もうかとも考えたが、もう少しだけ頑張ってみようと前を向いた。
この先には、伊勢古市参宮街道資料館がある。
参宮街道の歴史や伊勢歌舞伎などを学べる資料館が、今回は中まで立ち寄ることはしなかった。
この資料館でトイレを借り、ついでにインナーを一枚脱いだ。
僕の服装は、長袖のシャツに半袖のシャツを重ね、その上は厚めのジャンパーを羽織って歩いている。
この時期には薄めの服装かと悩んだが、厚めのジャンパーの保温性が良くまた、普段はもっと薄手でウォーキングしているから充分かと思っている。
いつもより歩く速度は遅い。大体1km13から14分のペースで歩いている。
にも関わらず顔と指先以外は結構暑い。
資料館でインナーの長袖を脱ぐだけで、随分とリフレッシュして気持ちよく歩き始める事ができた。
資料館から古市参宮街道を進むのが、正規のルートだが、少しだけ寄り道をしたかった。
資料館横の伊勢自動車道沿いを東に向かって進んだ。
浅香つづら稲荷神社の前を通過しすぐの左手に、麻吉旅館が出てくる。
階段下から見上げると、異空間に迷い込んだかのような素敵な古風景に包まれる。
内宮と外宮を結ぶ丘の上にあった麻吉は、かつて伊勢神宮の参拝後に、直会(なおらい)と呼ばれる宴会をして労いあった場所だそうです。そこは遊郭だったとの話も。
東海道中膝栗毛にも登場した旅館は、現在でも宿泊する事ができるそうです。
麻吉旅館を抜けると、再び古市参宮街道に戻る。
備前屋跡の碑を横目にどんどん進む。
住宅地の合間に突然歴史的なスポットが現れるのも、伊勢市ならではの事だろう。
古市参宮街道を近鉄鳥羽線の下をくぐり、御木本道路まで出てくると外宮まであと少しだ。
内宮と変わらず外宮にも観光客がたくさんいた。道路案内では、外宮から内宮まで3kmと書いてあったが、実際には、5.5kmほど歩いている。
寄り道した分を差し引いても、少し遠回りしているようだ。
外宮の参道は内宮に比べて、距離も短い。途中、亀の形をした橋や三つ石なんかも一応見ておく。
内宮同様、日々の感謝と旅の安全を祈願し外宮参道へ向かった。
外宮参道は、今朝降り立った伊勢市駅から外宮へ伸びるまっすぐな参道で、数年前から新しいお店が増え賑やかになってきた。
9時過ぎに駅から出発して今は11時半。わずか2時間半と言うべきか2時間半もの長丁場と言うべきか。
少し小腹が空いているし糖分を摂取したいと思い、赤福を食べにお店に入った。
あんこだらけのお餅なのだが、これが好きで仕方がない。
2個入りの赤福盆を頼んで店内で食べようとしたが、エアコンが効いていて暑いくらいだ。
ジャンパーを脱げばいいだけなのだが、今、ジャンパーの下はシャツ一枚。流石にそれはない。
仕方なく、外の長椅子で食べることにした。
赤福と共に提供される熱めのほうじ茶が染み渡り、時折、顔に当たる風が気持ちよかった。