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熊野古道伊勢路を歩くday5#1

ゴールデンウィーク初日の5月3日。
約2ヶ月ぶりに伊勢柏崎駅にようやく降り立つことができた。

仕事柄、年度末の3月や新人研修が続く4月5月は多忙極まりなく、休日に出勤することが多く、たまに休めたとしても生憎の天気だったり家族サービスだったりでなかなか熊野古道に向き合う時間が作れなかったのだ。

言い訳はさておき、今日は存分に楽しもうと思う。
さて、列車には多くの人が乗っていたが、伊勢柏崎で降りるのは僕1人だった。

下車する人しか僕しかいなかった


伊勢柏崎駅から左手。尾鷲方面に向かって進むのが今回のルートだ。

天気は晴れ。適度な風が心地よく気持ちいいスタートが切れた。
この辺りは、山の上の高い位置を高速が走っており、高い高架の下を進む道が続くようだ。

橋の向こうには鉄道の鉄橋と高速の高架が並ぶ


大内山川の清流の横を進むのどかな道がしばらく続く。久しぶりに歩く鈍った身体にはちょうどいいアイドリングタイムとなる。

熊野古道には、赤と白の2色の道標が古道横に点在している。
ここ、駒地区の道標には鹿らしき骨の標本が設置されている。

ワイルドは道標


おそらくは害獣として駆除された鹿なのだろう。
立派なツノが、英気を与えて動物との共存を考える時間を提供してくれたようだった。

しばらく進むと、堤防沿いの道に出る。
ちょうどゴールデンウィークの真っ最中。堤防で遊ぶ小さな子供たちから挨拶をもらって、元気が出てきた。

子供達の声に元気をもらう


堤防を抜け国道42号をらしばらく進むが、また脇道に逸れる。この先には大内山の一里塚がある。
この一里塚の裏には大きな松の木が道の両側にあったようだが、今は3代目となる松の幼木が植えられていた。

一里塚


2代目は樹齢40年で枯死してしまったようだ。
この幼木がいつの日か旅人たちの憩いになるのだろう。

いつか幼木が旅人を癒す日が来る


一里塚を越えると山道に入る。
距離としては短いが、真夏日に届きそうな気温の中木陰が清涼を与えてくれる気持ちのいい山道だ。

まっすぐ伸びる檜の間を歩く


この山道は、上下に分かれる道を進むのだが、熊野古道は下側の道らしく、案内板に従って下へ進むが、上の道を進んでもいいように思えた。
上の道を見ていないが、明らかに楽に歩けそうなのだが、川のほとりを歩く下の道の方が、断然気分が上がる。

苔の生えた小道を進み、川に降りれる場所を見つけた。

苔の生えた小道

川面が透き通って山と空が反射し一枚の大きな鏡のように見える。
自宅から持参したコーヒーを飲んで少し休憩しようかと思ったが、スタートしてまだ少ししか歩いていない。

誰も来ない山間の空間で自分の時間を見つけた

僕は腰を下ろすことなく、更に先へと進んだ。


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