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予算軸(お小遣い)はじめました
おめめどうのツールを使い始めて1年が経ちました。
おめめどうのツールを使うことで、というか、使うこと以上に、その考え方を知り実践してきたことは我が家の暮らし方の軸になりました。
これが何より大きかった!
本人の意志が何より大事という当たり前のことに気づかされ、そのために「みとおし(カレンダーとスケジュール)」「えらぶ(自己選択・自己決定・自己責任)」「おはなし(説明)必要、そのときのコツは「杖の役割(得意なところを支える)」と「年齢の尊重(人は扱われた年齢の振る舞いをする)」こと。
それしかないんだ、と。
本人の人権を尊重するなら当たり前のことなのですけどね。
どこか「自閉症だから」との言い訳、つまりは私の中に差別感情があったのだと突きつけられました。
前置きが長くなりました。
時間軸(カレンダーとスケジュール)支援はやってきたけれど、まだ始められていなかったことがあります。
それが、掲題の「予算軸」支援です。
要するにお小遣いです。
お小遣いは本人にとっての「余暇」に対してすると良いと言われますが、ピゴは物欲が無い!
おもちゃが欲しいとかゲームが欲しいとか一切無いんです。
クリスマスに欲しい物が出てこなくてサンタさんが毎年頭を抱えるほどで…
先日のクリスマスは、珍しくあるアニメシリーズの絵本セットが欲しいと言ったのでサンタさんも準備しやすかったそうですよ。
しかも、極度の偏食で、間食をしない。
お菓子もジュースも一切口にしないんです。
お小遣いは、毎日の余暇であるおやつに対して導入するのが日常的に少額の買い物が発生するのでやりやすいのですが、ピゴはおやつを食べない!!!
これは困った…
ピゴにももちろん余暇はあります。
ピゴが余暇で楽しみにしているのが、ファミレスに行くことです。
低学年の頃は、後でファミレスに行けるからと学校・デイ・通院・リハビリに行ってくれていました。
しかも、家だと時期よりますが、せいぜい2-3種類の食べ物しか口にしない。
しかもそれは、特定のメーカーの食パンと特定のパン屋さんの塩パンのみとかなのです。
ときどき飽きがくるので、家で食べるものがなくなる時期もありました。
そんなピゴが、マクドナルドに行けばハンバーガーを、サイゼリヤに行けばマルゲリータピザを、ガストに行けばハンバーグを食べてくれるのです。
そういう状況なので、ファミレス通いはピゴを育てる上で生命線でした。
緊急辞退宣言発令中の外食控えがすすめられていた時期でも、ほぼ毎日通っていたほどです。
その頃は、いくらかかろうと世間の目がどうであろうと、とにかく子どもたちを生かさねばと、それだけでした。
そして今も、デイや通院後のファミレス通いは続いています。
同一保持、ですね。
さあここに、予算軸を導入するには??
家で食べる分は家計から出すとして、ファミレス分すべてをお小遣いにするのか?
もちろんそれがシンプルで良いでしょう。
ただそうすると、今のファミレス頻度を維持するとなれば、お小遣いの額が大きくなりすぎてしまいます。
かといって、年齢的に大きすぎない額を与えるなら、ファミレスにはあまり行けなくなってしまう。
家でひたすらフライドポテトと食パンだけを食べることにもなりかねない。
お金のやりくりをピゴ自身に任せていきたいという思いと、もう少しいろいろな物を食べてほしいという思いとの板挟みになってしまいました。
そこで夫と少なくない話し合い重ね、とりあえず出た結論は、
マクドナルド・サイゼリヤ・ガストそれぞれ週1回は家計から出す
2回目以降はお小遣いから出す
ということにしました。
ピゴが選ぶメニューはファミレスごとに決まっているものの、それぞれ少しずつ違うからです。
お小遣いは週給制で1000円からはじめることにしました。
年齢よりは少し多めかもしれませんが、何も買えない額のお小遣いでは意味ないのでまあ良いでしょう。
導入前、お小遣いについて日々の算数の問題に取り入れました。
そもそもファミレス通いにいくらくらいかかっているのか。
お小遣いを使わずに1年貯めるとどのくらいになるか。
お小遣い制を導入すると1週間(や1か月)にどれだけファミレスで食べられるのか。
などなど、ピゴ自身に計算してもらい、数字を見てもらいイメージを持ってもらうことにしました。
このあたりは夫がやってくれました。
お正月明けから、いよいよスタート!
お小遣い支給はとりあえず日曜日。
実はファミレス通いにも偏りがあって、ガストの頻度がいちばん高かったのですが、
お小遣い制を導入したことで、いつもガスト行く曜日にサイゼリヤに行くことにしました。
もちろん、ピゴ自身がそうすると決めました。
そして水曜日時点で、ピゴはサイゼリヤに1回・マクドナルドに2回行きました。
マクドナルド2回目はお小遣いからです。
選ぶメニューは毎回同じなのですが、ポテトのサイズやクーポンの使用などで、かかる金額は微妙に変わってきます。
筆談で何パターンか見積りを提示して、メニューの組み合わせをピゴに選んでもらいました。
この日はLサイズポテトのクーポンがあったのでこれを使うことにしていました。
さて、水曜日終了時点で、お小遣いの残りは400円。
あとガストに1回は行ける権利が残っています。
ピゴにどうするか聞くと「うーん、考え中」と言います。
そう、考えています。
この頭を忙しくしていることが自分の生活を組み立てる上でとっても大事だと思います。
結局、ピゴは家計からガスト代を出してもらう権利を金曜日に使い、木曜日はお小遣いからガスト代を出すということに決めました。
残金は400円。
木曜日、「400円で食べられるものにする」と、山盛りポテトフライ(クーポン使用)のみを選んでいました。
いつも、ガストでは違うメニューの組み合わせを選んでいるのに!
そして金曜日は、いつものメニューを選び(だいたい1000円ほどかかる)、満足そうでした。
ピゴにとって、金曜日は嬉しい日。
1週間頑張った自分へのご褒美に、我慢せずに自分の好きなメニューを食べたかったのでしょう。
1週間を終え、残金は80円でした。
木曜日と金曜日の連続ガストの件で、私は考えました。
当初、その週はじめてのガストは家計から出し、2回目からはお小遣いからと親は想定していました。
しかし、ピゴは賢かったんです。
家計から出してもらえる日は高いものを食べたい、その日は金曜日にとっておく。
その代わり、木曜日はお小遣いの範囲で済ませる。
そう決めました。
なるほど!!
というわけで、さっそく以下のようにしました。
日曜日に、1000円とガスト・マクドナルド・サイゼリヤに行けるチケットそれぞれ1枚ずつを支給する。
ファミレスに行く際は、チケットかお小遣いのどちらかを使う。
ちなみに、これがそのチケットです。
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以下のコバリテさんの絵カードセンターで作りました。
この絵カードセンターは、めっちゃ頻繁に使わせていただいてます。
チケットにすることで、チケットを使うタイミングもピゴ自身が決められ、そのことがわかりやすく構造化できます。
今週は、コレでやってみます。
ピゴはどういう選択をするのでしょう。
時間軸だけでなく、予算軸も踏まえて、自分の生活を組み立てる。
これも、自立のひとつです。