許すとは?
「許す」って何だろう?「忘れる」ことはあっても、許すことはできるのか?例えば今起きている戦争。いくら謝られても、戦争を起こした張本人をそこで被害にあった人は許せないだろうし、許そうと無理に努力する必要もない。ただ、「許し」の反対は怒りや憎しみのようなネガティブな感情なので、それを持ち続けることは心身の健康に良くない。でも、人間は神ではないから、宗教の説教で言うような「許し」を人間同士の許しに用いるのは全くしっくりこない。
忘れるのは、その怒りが消えるのとは違う。隠すだけ。許すことは、怒りを緩和し、完全に消していくプロセス。「忘れる」ではなく「許す」を一刻も早く努力しなければいけないケースがある。それは他人に対してではなく、自分自身を許す場合だ。
例えば、何か思わしくない問題や事態が起こったとき、色々なネガティブ思考が自動的に湧き上がる。たとえ他人が絡んだ問題だとしても、自分を責めることを辞められない。自分自身に対して、一番意地悪できつい言い方で自分を問い詰める。「どうしてこんなことしちゃったんだろう?私はいつもこうなっちゃう。ちっとも学ばない!」と無性に自分に腹が立つことはないだろうか?こんなケースは、忘れてはいけない。しっかり許す練習をしなくてはいけない。
実は、自分への怒りは他人に対する怒りより始末が悪い、表面化しにくいから。これは、意識層へもってきて積極的に取り組む必要がある。なぜなら「自分を許せない」思考癖は、心のとても奥深くに根を張って、私たちの心身を不健康にしているから。初めの一歩は、自分自身への怒りや責めに気づく練習から。
まずは、自分への怒りや責めに気づく練習をする。腹が立ったり、苛立ったりした時、何・誰に対してそうなのか?意識的に毎日、気付かなければいけない。書き記しても良い。そして、深呼吸をする。今起こっていることは、過去のその時点で自分のできる限り、持ってる限りの力を使ってやった上で起きている、ことを再認識する。これを繰り返す。