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連作幻想譚[真夜中にゾウが来る]

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夜な夜な訪れるお客様とぼくの不思議な7日間…エブリスタで連載したYA小説を改稿の上移動しました。 ゾウ人間、ドロの女、見えないクジャク、ピストルの老人、葉っぱくん、ペルソナ、ある…
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連作幻想譚[真夜中にゾウが来る]第7夜

 スマートフォンを開けてみると、だれかからの不在着信があった。
 昨晩のお客様に話をしていたときに、ズボンのポケットの中で振動していたものだ。
 見てみると、おじさんの携帯からだった。
 まさか、海外からの国際電話だろうか。それとも、もう日本に帰国しているのだろうか。
 ぼくは、試しにおじさんに折り返し電話をかけてみた。案の定、おじさんにはつながらなかった。

 7日目。夜9時にお店に着く。
 お

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連作幻想譚[真夜中にゾウが来る]第6夜

 お店から帰宅して眠っているとき、夢の中にハッピーが現れた。
 ハッピーは、昨年の春に息をひきとってから、夢にたびたび現れる飼い犬だ。
 今日はなぜか、いつになく真剣な眼差しをしている。自分をただ黙って見つめつづけている。次第に、その瞳が夢の中でクローズアップされていく。
 眼球で画面が真っ黒に埋めつくされた途端、目が覚めた。

 6日目。雨の土曜日。
 土曜日は、普段ならおじさんの奥さんがお店を

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連作幻想譚[真夜中にゾウが来る]第5夜

 5日目。おじさんからの国際便は、午後8時すぎにお店に届いた。
 現金書留なのに、包みが大きい。中を開けてみると、先月分の家賃と一緒にキムチが1パック入っていた。
 キムチだけに、ほんの気持ちということだろうか。他は何も同封されていなかった。

 昨日は結局、自分の仮説は外れてしまった。もっとも、表の通りに出なかったなら、単に寡黙なお客様にエスプレッソをお出しするだけで済んだかも知れない。
 でも

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連作幻想譚[真夜中にゾウが来る]第4夜

 4日目。夜9時にお店に着く。今日は開店より1時間早めに着くことができた。
 木曜日。表の人通りはいつもと同じくらい。多くもなければ、少なくもない。そんな感じだった。

 連日の徹夜続きのせいだろうか。体の節々が痛む中、ぼくは毎晩、お店で不可思議な出来事が起きる理由をひとりで考えていた。
 もしかして……。そうだ。自分がお店の任務を放棄しかけたときだ。そんなときに、少々訳ありのお客様がうちのお店を

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連作幻想譚[真夜中にゾウが来る]第3夜

 3日目。家を出るのが遅くなってしまい、夜10時20分ごろお店に着く。
 カフェの前に、見知らぬおばさんが立っていた。
「あんた、店番の子かい?」
 開口一番、おばさんからそう尋ねられた。老婆というには若い感じだが、年齢は母よりも少し上くらいだろうか。灰色の短い髪に、夏向けのニット帽をかぶっている。
「はい、そうです。遅くなってしまい、申し訳ありません」
「いや、いいんだけど。私はね、あんたんとこ

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連作幻想譚[真夜中にゾウが来る]第2夜

 吊り革につかまって、帰りのバスに揺られていると、自転車で坂道を下っている中年の男性が、にこやかな顔を向けてこちらに手をふってきた。
 ぼくは思わずその人に手をふり返してしまった。周りを見てみたが、バスの中にいる人たちはみんな素知らぬ顔をしている。
 人違いだろうか。こういうことって、だれにでもあることなのだろうか。

 2日目。夜10時ちょうどにお店を開ける。今日は夕方から小雨が降りはじめてきた

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連作幻想譚[真夜中にゾウが来る]第1夜

「神を愛する人たち、すなわち、神のご計画にしたがって召された人たちのためには、すべてのことがともに働いて益となることを、私たちは知っています。」ローマ8:28

聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会 許諾番号4-2-3号

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 ぼくは、これから自分がどの道に進んで行くべきか迷っていた。
 一応、自分の身分は大学生だ。ただ、いわゆる一般的な大学ではない。通信制の大学で

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