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【ヤバい内臓脂肪】メタボリックシンドロームはあなたへの最終警告である

今回は、お腹周りについたズッシリ脂肪。いわゆるメタボリックシンドロームについてです。

健康診断や診察時に
指摘されたことがある人も
いるのでないでしょうか?

メタボリックシンドロームが注目された始めたのは、ここ10年から15年ほど。

2006年には流行語大賞にノミネートしたこともありました。

なんで注目されたの?

メタボリックシンドロームがさまざまな生活習慣病を引き起こすことがわかったからです。

例えば、糖尿病、高血圧、動脈硬化や心臓病です。

日頃から予防について取り扱っているこのnoteでは、絶対に解説しなければならないテーマといえます。

今回は、メタボリックシンドロームのリスクについて解説していきたいと思います。


あなたもメタボリックシンドロームかも!?メタボリックシンドロームチェックシート

そもそもメタボリックシンドロームとは何かを説明します。

まずは、自分がメタボリックシンドロームかどうかチェックしてみましょう。

ワーク

ご用意できる方は、直近の健康診断の結果メジャーを用意してください。

①まずはメジャーでウエストのサイズを測定してみましょう。

②健康診断の結果から、次の項目をチェックしてみましょう。
・高トリグリセライド(TG値)
・HDL値
・収縮期血圧(上の血圧)
・拡張期血圧(下の血圧)
・空腹時血糖値

耳慣れない用語があると思うので、簡単に解説します。

トリグリセライドとは、中性脂肪のことです。身体の中にどれくらい中性脂肪がたまっているかを表します。

HDLとは、善玉コレステロールのことです。この数値が多いと、身体に余分なコレステロールがたまりづらいことを表します。

血圧は心臓が収縮したとき、拡張したときに血管にかかる圧力です。

空腹時血糖値とは、何も食べていないときの血糖値です。血糖を下げるインスリンがうまく機能しているかを表します。

それでは、確認してもらった結果をもとに、メタボリックシンドロームのチェックをしていきましょう。

日本内科学会などが定めたメタボリックシンドロームの診断基準をみてみます。(1)

参考文献(1)より引用

ワークアンサー

いかがだったでしょうか?

まずは、ウエストが男性なら85センチ女性なら90センチ未満だった方。

おめでとうございます。あなたはメタボリックシンドロームではありません。しかし、油断は禁物。引き続き、規則正しい生活習慣を心がけてください。

そして、ウエストが基準値が超えてしまった方。血液検査のチェックにうつります。

3項目のうち2つ当てはまってしまった方は、メタボリックシンドロームとなります。


メタボリックシンドロームの危険性

メタボリックシンドロームチェック、おつかれさまでした。

さて、ここからメタボリックシンドロームがなぜ生活習慣病を引き起こすのかを解説します。

先ほどのチェック項目でウエストが太さが必須条件だったことを思い出してください。

仮に血液検査で中性脂肪や血圧、血糖値がいくら高かろうと、ウエストさえ細ければメタボリックシンドロームではないのです。

ここが意外に思われる方も多いかと思います。

これは、メタボリックシンドロームが内臓脂肪を基準としているからです。


肥満のタイプにも2種類あります。

一つは、皮下脂肪型肥満です。お尻や太ももへの脂肪が特徴的で、洋梨型肥満とも呼ばれます。

そしてもう一方が内臓脂肪型肥満です。お腹周りの脂肪を特徴とし、りんご型肥満と呼ばれることもあります。

メタボリックシンドロームは、皮下脂肪型ではなく、内臓脂肪型肥満を指すのです。

皮下脂肪型肥満だって危ないんじゃないの?

そう思う方もいるでしょう。
結論から申し上げると、内臓脂肪型肥満よりもだいぶマシです。

皮下脂肪は、内臓脂肪に比べて生活習慣病のリスクが低いからです。

 なんで内臓脂肪がそれほどまでに危険なのか?

それは、内臓脂肪が健康に悪い有害物質を出しまくるからなのです。

脂肪細胞は、単に集まって脂肪を形づくるだけではありません。脂肪細胞は、生理活性物質といって身体に作用するさまざまな物質を出しています。

面白いのがこの生理活性物質は、その人の肥満度によって放出する物質の種類が変わるのです。

痩せているとき、脂肪細胞は身体にとって健康な善玉を多く放出します。

生活習慣病を防ぐ効果があったり、食欲を抑える効果脂肪の分解なんかも助けてくれるのです。

しかし、肥満になると善玉の数が減り、悪玉が多く放出されるようになります。

実は、皮下脂肪が増えても悪玉が増えることはないのです。内臓脂肪が増えたときに悪玉が増えます。

この悪玉は、さまざまな悪さをします。
例えば、脂肪細胞の炎症です。

炎症とは、白血球やマクロファージなどの免疫細胞が細菌やウイルスなどの敵と戦っている際に起こる症状です。

内臓脂肪が増えると、脂肪細胞は免疫細胞であるマクロファージを集める生理活性物質を放出します。

すると、内臓脂肪の脂肪細胞にマクロファージが大集合。このときマクロファージからTNF-αという物質が出されます。

このTNF-αがヤバいのです。
TNF-αは、善玉が脂肪細胞から放出されるのをブロックしてしまうからです。

その結果、食欲のコントロールが効かなくなります。
さらに脂肪の分解も進まず、さらに内臓脂肪が増えてしまう負のループに突入するのです。

また、TNF-αは、インスリン抵抗性を加速させます。

インスリン抵抗性とは、インスリンの効きやすさを表します。インスリンは、血糖値が高くなったときに分泌されるホルモンです。

細胞へ糖分を取り込ませる、つまり細胞へのエネルギー補給を行うことで血糖値を下げます。TNF-αは、このインスリンが効きにくくなることで、細胞に糖分が送りこめない状況を作り出します。

結果的に、血糖値は下がらずに糖尿病のリスクを上げるのです。


TNF-α以外にも脂肪細胞からはさまざまな悪玉が放出されます。

血の塊である血栓ができやすくなることで、心筋梗塞や脳梗塞が起こりやすくなります。さらに血圧が上昇するホルモンの分泌量を増やすことで、高血圧が生じるのです。

内臓脂肪は、こうしたメカニズムによりさまざまな生活習慣病を引き起こします。

今回、メタボリックシンドロームのチェックに当てはまってしまった方はもちろん。

一つでもチェックがついてしまった方は、予備軍です。

早急に改善することが必要です。


内臓脂肪を落とすために

内臓脂肪を落とすために最も効果的な方法は、食事の改善です。

よくダイエットで真っ先に運動を始める人がいますが、科学的には間違っています。

脂肪を燃焼するには、消費カロリーが摂取カロリーを上回る以外に方法がないからです。

運動は、消費カロリーを高めてくれます。
しかし、摂取カロリーが多ければ意味がありません。

まず優先すべきは摂取カロリーの改善、すなわち食事です。

今回の続きの記事は、そんな食事を改善するための5つの方法を解説しています。

継続こそが最も重要であるため、5つの方法を1つずつ試しながら自分に見つかる食事方法を探してみてください。内臓脂肪を今すぐ落としたい方は、下のリンクからどうぞ。

もう一つの続きの記事は、とくに肝臓についた内臓脂肪についてです。

肝臓に脂肪がつくことで、今回紹介した悪玉以外にもさまざまな悪影響が生じます。

内臓脂肪を落とさなければいけないけど、あと一歩が踏み出せない方。あと一歩を後押しする記事になっておりますので、下のリンクからアクセスしてみてください。

それでは、また次回の記事もよろしくお願いします。



参考文献

(1) e-ヘルスネット 厚生労働省

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-01-003.html

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