一日でも長く愛車と
プロなのでたまにはお金の話でも。
と思って書き始めたけど、それほどでも無かったお話。
この記事は車の話ですが、車をお持ちで無い方は自転車や、自分の身の回りの物、仕事の道具や生活の道具に置き換えてみてください。
私は整備士で、お客様に一日でも長くその車に乗ってもらうのが私の仕事です。
車は長く付き合えば生活に溶け込んでいき、まさに自分のパートナーとなってくれます。
ただ車も人間と同じで歳を重ねて行き、あちこちにガタが発生してきます。
足が痛いだの膝がダメだだの、本当にオーナーさんと同じようになっていきます
「車の点検の次は自分の点検や。ホンマに病院ばっかり」
とか言われたり(笑)
ここでタイトルですが、一日でも長く愛車に乗る為にどうすれば良いか、それは自分の中で愛車への愛情度をあげることです。
一日でも長く愛車に乗るうえで一番の壁は何だと思いますか?事故?故障?いえお客様自身です。
人間と車の違いは部品交換が出来ること、日々のメンテナンスも含めてお金をかければいくらでもリフレッシュする事ができます。部品が存在する限り。
先に「私の仕事は一日でも長くその車に乗ってもらうこと」と言いましたが流石に限度はあります。
お金さえかければいくらでも治すことは出来ますが、お客様の価値観の中でオススメをしています。
人間は慣れる生き物です。そして飽きる生き物です。
その車が自分の近くに来た時からだんだんと愛情度は下がっていきます。
私は整備費用だけでなく税金やその他費用(維持費)を合わせたものが、お客様の中での愛情度と車から得られるメリットを足したモノを超える時が修理を諦める時だと思っています。天秤に乗せるわけです。
想像してみてください天秤の片腕に維持費、もう片方に愛情とメリットをのせてください。
天秤の片腕の愛情度の部分は時間が経つと一部を残してだんだん軽くなっていきます。
ですので愛情度とメリットを重くする必要があります。
車は使用しなくても劣化していきます。古くなると税金も上がります。ですので維持費は車を使用しなくてもだんだんと重くなっていきます。
メリットを重くするとどうなるか?
メリットを上げるという事は使用頻度が増えるという事なので、一緒にいる時間が増えるわけなので、それに伴い愛情度も増えていきますが、同時に整備費用も重くなっていきます。
しかし今まで車に乗っていかなかったところに、車に乗っていくようになると新しい思い出ができたり、自分の車の良いところを新しく発見できるかもしれません。
整備費用が増える以上にメリットと愛情が増えれば天秤の傾きが変わることはありません。
先ほど人間は慣れる生き物だといいました。近くにいる人や近くにある物、当たり前にあるモノっていうのは離れなければその重要性に気づけない場合があります。
車も同じで愛情の部分は天秤のお皿の上からはだんだんと減っていきますが、すべてが無くなるわけでなくて、一部は天秤の周りに置かれ始めるのです。
そしてその天秤が無くなって初めて周りの愛情の塊に気が付くことがあります。
目の前のお皿にばかり目が行って周りに目が行っていない状態、失って初めてその大切さに気が付くというやつです。
それをドライブや旅行で発見できるかもしれません。
とは言ってもあまり遠出したくないし、自信ないしという方には、ちょっとした車のドレスアップをお勧めします。
ドレスアップといっても派手な電飾をつけたり高級なアルミホイールを履かせたりではありません。
そこまでする必要はなくて、ちょっとした小物をつけてみたり、ちがうカーペットマットに変えてみたりという感じです。雰囲気変わりますよ。
だたし、気を付けてほしいのが法律や安全に配慮してほしいです
この事についてはまた別の記事で書く予定ですが、自分で車にアクセサリ等をつけたりせず必ず一度行きつけの車屋さんに相談してください。
自動車は内外どちらも、形状素材全て安全に配慮した設計がなされています。ですのでそこに手を加えるのには注意が必要です。
法律違反も問題ですが、自分のつけた小物で大けがや、命を失うといった事につながりかねません。
若干話がそれたので戻しますと、そうやって車と付き合っていると、ある境地にたどり着きます。
それが
手のかかる子ほど可愛い
です(笑)
車が可愛いから愛情や時間、手をかけるわけではなく、その過程で可愛くなっていく。という感じだと思います。
ここまでくるともう天秤の片腕には愛情の大きな錘がドスンと乗っかっています。
人によっては維持費も愛情側の腕に移る可能性があります(笑)
そしてお金だけでなくて、部品を探す手間や時間すら愛情に変えてしまいます。
何十年同じ車に乗り続けているオーナーさんはまさにこれです。
これは極端な話ですが、そこまでする必要はなくて自分の愛車への付き合い方というか天秤を見る視線を変えるだけで今まで見えなかったものが見えてきます。
何かの拍子に天秤の周りの愛情に気がつくかもしれません。
その時改めて愛車の良さが見えてきます。
天秤の片腕には維持費、もう片方の腕には愛情とメリット。
愛情側の腕が下がっている限りは、自動車は長く乗る事ができます。私も最大限のお手伝いをしています。
最近の車との付き合い方を改めて思い起こしてもらって、何だか単調になって来たなと思ったら、ちょっとリフレッシュしてみてください、きっと新しい発見があると思いますよ。
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