<読書>魯肉飯のさえずり
二十数年前に、台北に訪れたことがあります。海外なのに、何となく懐かしい、居心地がよい感じがしました。
台湾に興味があるので、この本を読みました。
・魯肉飯のさえずり 著者:温 又柔
主人公の桃嘉は夫とうまくいっていません。
夫は、稼ぎの良い会社員で、社交的です。しかし、桃嘉の考えを尊重してくれず、結婚しているのに、外で平気で女の人と会っていたりします。
桃嘉の母は台湾出身です。桃嘉の父と結婚して、日本に来ましたが、異国の地での子育てに苦労をしてきました。
思春期となった頃から桃嘉とは、すれ違うこともありましたが、桃嘉の母はいつも娘を大切に思っています。
夫との関係に悩み、精神的に追い詰められていく桃嘉を救うのは、友人の茜と、桃嘉の両親、台湾にいる母方の親戚たちでした。
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この本を読んで、人の心の居場所について考えました。
桃嘉の居場所は、桃嘉を支配しようとする夫の隣ではなかったのです。
やはり、その人を大切にしてくれて、尊重してくれる人の隣が、その人の心の居場所なのだと思います。
自分にとって心地よい居場所にいたいですし、家族や親戚、友人など身近で親しくしている人に寄り添える、心の居場所を提供できる存在になりたいものです。
また、離婚した桃嘉は就職し、中国語専門学校の入門講座に通い、新しい仲間と知り合い、生活に変化が訪れます。
興味があることに積極的に関わることで、自分の新たな居場所を引き寄せることができるということが示されていました。
停滞気味だと感じたら、現在の自分の心の居場所に違和感を感じたら、新しいことに関わってみるのも良いのかもしれません。
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この本を読み終えて、10年以上前に亡くなった母のことを思い出しました。若いころは言い争いもしましたが、困ったときに寄り添ってくれたのも母でした。母と台北を訪れたことを思い出しました。いつか再び台湾を訪れたいです。
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ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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