<読書>わたしの美しい庭
著者の本屋大賞受賞作「流浪の月」は心が苦しくなるくらい衝撃的だったので、今回も少々身構えて『私の美しい庭』を読み進めました。
わたしの美しい庭 著者:凪良 ゆう
「縁切り神社」はマンションの屋上にあります。
その神社の宮司で、マンションのオーナーでもある統理と娘の百音。
そしてマンションの住民の路有や桃子、元住民の基。彼らが主人公の短編集です。
統理と百音は実の親子ではありません。
路有や桃子、基もそれぞれ事情を抱えています。
それぞれの事情を認めながら、さりげなく支えあっています。
神社の境内である屋上庭園は、宮司の統理によって手入れされていて、立ち寄る人を癒してくれています。
登場人物たちは「縁切り神社」でこだわりを断ち切り、屋上庭園で癒されて、新しい一歩を踏み出そうとしています。
読み進めていくと、複雑な事情を抱える登場人物たちに、未来に繋がるであろう小さな明るい兆しが見えてきます。(「縁切り神社」のご利益でしょうか?)
百音は今後も統理と暮らし、路有に支えられ、無事に成長していくのが想像できます。
路有にも新しいパートナーができそうです。
桃子と基も仲良くしている様子です。
読んだ後、温かい気持ちになりました。
今の状況がイマイチでも、何とかなるかなと。小さい希望が感じられる内容です。
*
「流浪の月」とは全く異なる読後感でした。
凪良 ゆう さんの本は、まだ二冊しか読んでいませんが、今後の著作も読んでみたいと思っています。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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