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悶絶した新任マネジャーが体験した奇跡の瞬間~管理職は罰ゲームではない~

最近、色々なメディアで、『マネジャーになりたくない若手』が問題として取り扱われています。『罰ゲーム化する管理職』というタイトルの書籍も出るくらい。

統計でも、管理職になりたいと願う割合は2割以下のようです。

『「若手社員は管理職になりたくない」論を検討する』株式会社パーソル総合研究所より引用。
※業種や年齢によると思いますが、肌感には合う気がします。

要因には、以下のようなものがあるとのこと。
・社内外、上下から板挟みになり、責任も重くなる
・働き方改革のしわ寄せがマネジャーに集中する
・給料のワリが合わない
・何より、周囲のマネジャーが幸せそうじゃない

確かに、事実かもしれません。

ただ、感情を煽るためか、情報は負の側面に焦点が当たり過ぎていて、魅力側に触れる機会が少ないようにも思います。

じゃあ、実際どうなのか。

大変な局面も多いのですが、「これはマネジャーじゃなきゃ味わえねえなあ!」という、それまでの苦労が報われる奇跡の瞬間に言及せずにはいられません。

今回は、私のドリームインキュベータでの体験を伝えることで、「マネジャー目指してみてもいいかも」と思える人が増えたらいいな。そして今まさに苦しんでいるマネジャーにエールを送れれば。と思い、私が大切にしてきたことも含め、共有してみます。

とはいえ厳しいマネジャー業務

厳しさに触れないと嘘くさくなるので、先に書いておきます。笑

正直、失敗ばかりで何とかなる未来も見えず、何度も自分を責めました。初めて、自分が持っている力だけでは何ともならない領域だ。とも痛感しました。例えば・・・

  • メンバーに仕事の意義を伝えきれず、悩みに寄り添えず、苦しい想いをさせてしまう

  • ミーティングのたびに不機嫌な顔つきになり、毎日自己嫌悪(最悪なことに、不機嫌な時に落差が出ないよう、努めて仏頂面をしてました/コーチつけても治らんかった)

  • しかもその理由が、自分の実力のなさに依拠するとわかっているのに、変えられない自分に嫌気が差す

  • ボロボロ状態でも、クライアントは自分を代表として見てくださり責任も感じる

  • そんな中、管理不足で天地を揺るがすミスを流出してしまい、どう対処したらいいか途方に暮れる

もしこの記事を、一緒に仕事したメンバーが読んだら、、、と思うと、未だに胸が締め付けられます(すみません・・・)。

でも、驚くべきことに、『ブレークスルーは起きる』のです。

そしてそれを体験すると、日々の悩みや苦しさが吹っ飛ぶくらい、『ああ、頑張ってよかった!みんな大好き!』と思う瞬間が訪れます。
(ちなみに、安定してそのパフォーマンスができるかは別問題 涙)

『目の色が変わる瞬間』に出会うとき

私にとってのマネジャーの魅力は、これに尽きます。

  • メンバーが短期間で信じられない成長を遂げ、水を得た魚のように動き、社内外を巻き込んでいく。

  • 猛烈に忙しいのに、なぜか妥協せず、最後まで諦めない(むしろマネジャーが落としどころを提案しても止まらない)。

  • 個人の担当範囲を超え、部署やプロジェクト全体の方向性改善のために意見を持ってきてくれる。

そういったメンバーの覚醒したエネルギーは、社外の顧客やパートナーにも波及していきます。

  • メンバーが顧客/パートナーのための仕事に注力していることが伝わり、強力な信頼関係と一体感が産まれる。

  • 最初は懐疑的なパートナーが、自然と、見ていないところでプロジェクトが前進するための活動を進めてくれる。

  • 結果、当初想定していなかったレベルの成果にたどり着ける。

こんな、『関わる人の目の色が変わり、相互作用が産まれ、人ひとりの能力を大きく超えたレベルで物事が前進していく』という感覚は、マネジャーの仕事において訪れる幸福な瞬間だと、胸を張って言えます。

人ひとりと書きましたが、10人いたとして10人力ではなく、20にも30にもなるイメージで、グンッ!!と先に行くイメージです。

そして、これを経験せずに、「マネジャーになるメリットがない。」と決めつけるのはもったいない。

もしよければ、あなたの身の回りの管理職やマネジャーに、「こういう体験ありますか?」と聞いてみてください。そして、マネジャーは、恥ずかしがらずにメンバーと共有してみてください。

「面白そうじゃん」と思う人が、一人でも増えることを願っています。

奇跡の瞬間に出会うために実践した3つのこと

マネジャーの仕事環境に対する不安と同じくらい、マネジャーになった後の行動イメージが湧かない、という人も多いのではないでしょうか。

なので、私がこれだけは守りたい・・・!と思っているポイントも共有してみます。理論立てられたものではないし、プレイングマネジャー寄りの考えではあるので、いろんな突っ込みや別の視点等、思い浮かべながら読んで頂ければと思います。

①:成果を目指す一貫した姿勢を示すこと

この仕事・プロジェクトの成果は何か?を定義し、実現に向けて一貫した意思決定と行動を意識していました。

意思決定は、右に行くか左に行くかという大きなものから、日々の業務の進め方まで大小さまざま。
行動は、仮説修正をいとわない、濁した表現でふわっと合意を取らない、あえて無理そうな仮説を立てて思考の枠を超える・・・等々。

ソニー元社長の平井さんも仰っていましたが、リーダーの一挙手一投足は全て観察されています。
「成果のために何をして、何をしないのか」という行動規範は、まず自分が実践する。メンバーの心に届くように言葉でも伝え、「マネジャーならこんな時どう考えるか?」と、心の中に住まわせる

なお、後述するプロセスやメンバーの成長も大事ですが、いきなりそこに集中するとマネジャー自身がゴールを見失いかねないので、熟練者でない限りお勧めしにくいなと思っています。

②:ゴールに向けた全体像を描き、チームの視座を上げ、協働関係を構築すること

プロジェクトや仕事を完成させるために必要な事柄の全体像をまとめ、各メンバーの仕事がどういう意味を持つか?を共有する。

関係ステークホルダーが普段どんな役割・責任を背負い、協力を取り付けるためにどんな準備をする必要があるか、を一緒に考える。

するとメンバーは主体的に動き出すし、チーム全体が改善するような提案を持ってきてくれ、相互の協力関係が産まれます。(これは本当に助かる!)

そして、チームとは、社内だけではありません。

一緒にプロジェクトを進めるクライアントやパートナーもチームと捉え、ゴールと課題の全体像を示し、議論の現在地を共有し続ける。

社内外が一つのチームとなって突き進むと、想像しえなかった成果につながっていきます。

③:メンバーへの愛を持ち、期待の言葉をかけ続けること

とにかく、1on1の時間は忙しくても(短くても)取る。
そして、メンバーの課題に寄り添い、成長への期待を示し続けることが、信頼関係に繋がっていくと信じています。

私は、成長のために課題を直視する厳しい指導は必要だと思っています。その時、指導がハラスメントと取られるかどうか、は関係性次第。

その人のことを良く観察して、成長した時には小さくとも一緒に喜んで、また次のゴールを決めていく・・・。そんな関係性を意識していました。
これも、完璧にできている自信はないですが、、、

奇跡の瞬間、見に行きませんか?

長文を、最後までお読みいただきありがとうございました!

マネジャーの仕事面白そう、と思ってくださる人が増えれば嬉しいですし、現・マネジャーの方々にも勇気を与えられれば本望です。

変化が早く、課題が複雑に入り組む社会では、企業活動における”現場”の重要性はますます高まっていきます。『社会・企業・組織・個人をつなぐ結節点』であるマネジャーの役割はより高度化し、影響力も強くなる。

これから企業が、そして日本が成長していくために、充実感をもって楽しく働くマネジャーと、その周囲で熱量高く働く人たちが増えていくように、力になっていきたいです。

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普段は、コーチ兼コンサルタントとして、マネジャー・リーダー候補向けに、ビジネスxキャリアの軸を作るお手伝いを提供しています。

特に、ここでも書いたような経験を元に、事業開発に関わるプレイングマネジャー/現場リーダーの方のキャリア構築、仕事のパフォーマンス向上等、お力になれると思います。
ご関心持ってくださった方は、是非DMなどでご連絡くださいませ!

https://x.com/yotsumancoach

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