悩める若手こそ学ぶべきビジネス戦闘力とは?(ビジネススクールで得た宝物)
2024年8月、戦略コンサルファームを退職し、研究者の妻に帯同する形で米国に移住しました。
あちこち旅していて期間が開いてしまいましたが、
こちらの記事では、優秀な妻に劣等感を抱いた挫折男が、なぜMBA/ビジネススクールへの挑戦を決めたのか?を書いてみました。
今回は、2年にわたる国内MBA生活の様子や、そこから何を得てどう人生に影響を与えたのか?をちょっと真面目に振り返ります!
結論、人生の投資として、めちゃくちゃおススメな選択肢でした。
こんな人たちに届くと良いな!と思っています。長文になるので、目次から必要そうなところをつまみ食いしていただければ。
・キャリア迷子の方
・MBA/ビジネススクール進学検討中の方
・ビジネス戦闘力を上げたい方(②だけでも是非!)
スクール選びの過程
MBAの説明は主題ではないので、ざっくり引用します!要は、経営に必要なスキルを短期で学び、学位も得られる大学院、です。
まず、ビジネススクールを志向する場合、最初に”海外MBA vs 国内MBA”の大きな2択がありますが、私の場合は、サクッと国内MBAに決定しました。
理由は、
・学び↔実践のサイクルで、生きた知識を身につけたかった。
・挫折の真っ最中だったので、とにかく行動を急ぎたかった。
・お金がなかった。
ということで、働きながら通える国内パートタイム(夜間)が最も自分に合っていると思いました。
また国内でも、教員の質(実務家xアカデミックのバランス)、ブランド力(優秀な人が集まるはず)を考慮し、早稲田大学ビジネススクールを第一志望として受験し、合格。無事にスタートラインに立てました。
待ち受けていた生活(2019-2021年)
想像通り、ハードでした。
基本サイクルはこんな感じ。本当によく頑張ったと思います・・・。
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【平日】
・毎日定時退社のため、気合入れて仕事
・週3-4で講義(18:50~22:00)を受け、講義後は懇親会も多発
・終電帰宅後、課題をこなし、AM2-3時頃に気絶
・講義が無い日は課題+グループワーク
・昼休みは会社のデスクで気絶
【土曜日】
・朝9:00~19:00頃まで講義。講義後はほぼ懇親会
・終電帰宅後、気絶
【日曜日】
・終日、課題。ここで課題頑張らないと平日死ぬ
・課題を終え、AM1-2時頃に気絶
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ハードだった要因は、”自分を変えたいという強い意志”と、”もったいない根性”が大きかった気がします。子なしだったということもありますが、ここまで時間投下した人はそんなに多くないかも。
何度も物理的にフラフラしたり、ぎっくり腰したりしましたが、、、
自分ってこんなに頑張れるのか!という自己肯定感と、優秀修了者(TOP10%)に入り自信も手に入れられたので、やってよかったなとは思っています。
得られた人生の宝物3選
入学前の想像以上に、得るものはとてつもなく大きかったです。
修了後、転職も経て、”好きな場所で、好きな人と、好きな仕事をする”というキャリア観の実現に向けて、大きく貢献しています。
宝物①:生涯の友人・仲間との出会い
社会人になると、会社外で温度感の合う”仲間”に出会う機会って限られるのですが、MBA生は熱量高く、自分を変えたい。と思っている人がとても多いです(全員ではありません)。
そういう人達と深い仲になる要因を、一例とともにご紹介します。
講義では、”ケーススタディ”と呼ばれる手法が多用され、特定企業の経営事例から、「あなたならどうするか?」を問われ、議論します。
例えばとある講義では、「リーダーとしての倫理・正義」がテーマでした。
・・・センシティブなお題ですよね!受講者も皆、戸惑っていました。
回答も様々で、企業の存続意義を最優先する人、定量的に死のリスクを測定して最適解を出そうとする人・・・等々。
正解はありませんが、受講生の根っこの価値観が表出します(実際、小競り合いも起きました)。
大切なのはこの時、問いから目を背けず、互いの意見を受け止め、本気で議論する姿勢でした。その過程で自分の価値観も揺さぶられ、より強固になっていきます。そして、こういった本気の体験を共にした仲間とは、深い絆が生まれます。
修了から3年経った今も、お互いの挑戦を心底応援しあう。そんな仲間ができたことは、今のキャリア選択を支えてくれています。
宝物②:4つのビジネス戦闘力
国内MBA入学者の平均年齢は35歳程度。起業家・大企業の管理職等、戦闘力の高いメンバーであふれています。
対する私は当時28歳。マネジメント経験なし、営業一本。ファイナンスって株ですか?マーケティングって広告ですか?という感じのピヨピヨ状態。
では全く敵わなかったか?というと、そんなことはありませんでした。
以下4つの、後天的に鍛えられる能力が私を支えてくれました。
ちなみにこれらの能力は、優秀な人たちを真似することで身に付き、のちに戦略コンサルタントとしても非常に大きな武器になり、私を支えてくれています。
A.当事者意識に基づく深掘り力
根性論と見せかけて、スキルです。
事例を、自分が当事者だったらどうするか?、夢に出るほど真剣に考える力。わからなければ、考えられている人の近くに座って、どういうレベルで物事を考えているかを感じ取る。
すると、”課題やリスク”に対する感度がグッと上がり、深掘りや、打ち手のリアリティ向上につながります。
そして、常に当事者として立ち回る癖がつくので、クライアントからも、上司からも、同じ世界・視座を共有する存在として、信頼して仕事を任せてもらえるようにもなります。
B.想像力
Aとも関連しますが、物事を考えるとき、なんとなく自分の体験ベース/ものさしで考えてしまうことってありませんか?
ところが、事業の局面では、常に顧客/競合/パートナー・・・等、他者の動きや行動基準に左右されることがほとんど。
なので、”どれだけ相手の立場に立って考えられるか?”は超重要で、MBAのケーススタディは、この視点移動を鍛える最良の場でした。
多様な業界・業種・職種のメンバーが揃っているので、彼らの思考回路をしつこく聞いてみる。
すると、「こういう立場の人はこういう考え方をするのか!」というn数が蓄積され、未知の事象に対する想像力が増し、仮説構築の解像度がグンと高まりました。
C.構造化力
上記の努力の結果として、専門である競争戦略の考え方も、強固な土台が身についていきました。
よく、「フレームワークは陳腐化するし、学んでも無駄」という主張を見かけます。確かに、5Forcesやら3Cやら、フレームワークをそのまま
使う機会は少ないのですが、”思考の座標・スタートライン”としては非常に有用です。
基本的な事業構造・勝ち筋のセオリーがあり、そこから当該ケースにおける重要な構造・枠組みを再構築すればいいのです。正しく使えば考えるべきポイントの優先付けや、抜け漏れのチェックに使えるし、その思考の速度も上がります。
ビジネススクールでは、各受講者が共通のフレームワークで自社事業やケースを分析します。そのなかで、この業界の事業構造はこのフレームでは語れない・・・というケースが出てきたりします。
そういったフレームワークの”使用上の留意点”を理解しながら、過去の偉人の背中に乗って物事を考える型が身についたのは、ビジネス戦闘力を高めることにつながりました。
(※大きな声では言えませんが、悩んでいるコンサルメンバーは、この”お作法”が不足しているケースが多い気がします。)
D.思考体力
すごくシンプルなのですが、結局、勝つまで続ける人が勝つ。これが真理だと思っています。笑
この期間だけは息を止めてやり切ってみる。そして、やり切れた!という自信を持てる経験は、ホワイト化が進む社会では意外と貴重。
・職場外でできる。時間管理はされない。
・周りに仲間がいて励ましあえる。(絡む仲間も選べるくらい多い)
・4か月講義→2か月休暇のサイクルは窒息死しないギリギリの期間
という、思考体力を磨くのに恵まれた環境でしたし、ここでやり切れた経験は”何とかなる” 精神も鍛えてくれ、今後もどんな環境でもきっと勝つまでやれると、自信を持っています。
宝物③:成し遂げたいキャリアの道筋
何者かになりたい。
そう思って始めた挑戦だったので、2年間でも大きなテーマでした。
結論としては、『社会課題をビジネスで解決し、トップラインを生み出す事で日本を豊かにしたい』という、大きな羅針盤が構築されました。
ビジネススクールの講義も色々あります。
私がゼミで専門にした競争戦略、コーポレート戦略、ファイナンス、財務会計、マーケティング・・・等々。
中でも私のWillに一番大きな影響を与えたのは、意外なことに、CSRの講義でした。詳細は長くなるので割愛しますが、
『経済的にサステナブルな形で、収益を上げながら社会課題解決がなされる構造を造り出すことが、”企業”の課題解決の在り方。不況時に切られる慈善活動では、本質的な課題解決は見込めない。』
『新規事業として収益創出を追求しながら、地球も人も企業も豊かにする。そんな仕事がしたい。』
と、思うに至りました。
この時点では、ざっくり北!を示すような羅針盤ですが、新事業を追求する戦略コンサルに転職したことで解決したい社会課題も見えてきており、最初の基盤としては十分強いものだったかなと思います。
結局、挫折感は拭えたのか?
ビジネススクールの生活は、余計なことを考える暇もなく、次から次に知識を食べていったので、正直、挫折とかはどうでもよくなっていました。笑
また、「やればできる」という自己肯定感や、「何かあってもきっと自分は強くあれる」というレジリエンスが高まっていくのが自覚でき、自然と、将来を悲観する思いは消えていきました。
日々の煮え切らない気持ちとか、将来への不安とか、人それぞれ色々抱えているのが普通だと思うのですが、この体験から学んだことは、
『どこまで自分を信じて、勝つまでやれるか。が可能性を広げていくことにつながる。信じる力・継続する力は磨けるスキルだし、一人がキツいなら、仲間のいる環境を作って支えあうのも有効』ということ。
あえて環境を変えてみたり、人に頼ってみたり、自分が頑張れる状況を(お金をかけてでも)能動的に作り出すのって、きっかけづくりとして重要な動き方なのかなと思います。
・・・とはいえ、MBAを終えたくらいではあくまでスタートラインに立った状態であり、転職後の戦略コンサルでは、これまた打ち砕かれることも多くあったのですが・・・笑
そのあたりは、またどこかで振り返ってみます!
では、長文にお付き合いいただきありがとうございました!
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