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運命の、その先
おもに中年期の話です。
人生はそのまま円熟へと向かおうとしているかに見えたその時、築いてきたものを破壊する動きが起きることがあります。
たとえば、ある女性は仕事一筋にシビアに生きてきましたが、ふと疑問をもつようになり、それまで犠牲にしてきた愛情生活を取り戻そうとし始めます。
一面的に生きていると、あるとき、修整が入るみたいに、これまで生きてこられなかったもう一つの面が気になりだします。
外向的に生きてきた人は内的豊かさに憧れるようになり、物質を追いかけてきた人がスピリチュアルに目覚めたり、まるでバランスをとろうとしているかのようです。
面白いことに、一人の人の中に、二つの真逆の性質があることが見えてきて、驚かされます。
相談にみえたとき、その女性は、八方塞がりで世界は彩りを失ったように無彩色でした。
上手く行かなくなったライフスタイルの元には、過去の激しい痛みの経験があります。その信念の根本には何があるのかを探求しに行きます。
そして、いまの自分は生育歴による運命によって形づくられた自分であったとた、いうことを認めますす。
運命がつくった自分を生きていました。ならば、本来の自分もいます。本来の自分はまだ生きたことがない自分です。
相談者はこころから癒やされて、自分を深く大きく受け入れ、トラウマとこころの制限を外していかれました。
やがて、相談者は運命の自分を乗り越えて、新しい自分を生きようとなさいます。
それは、本来の自分、まだ生きたことがない未知の自分なのです。
相談者は自ら新しい可能性を切り拓いていかれました。
✱
表現アートセラピー作品。2017年。(相談者とは関係ありません)
「運命がつくった私」↓
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「本来の私」↓
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