あおり運転と精神医学: ロードレイジ(road rage)と精神障害の関係 ~海外文献の紹介~
皆様、こんにちは!鹿冶梟介(かやほうすけ)です。
読者の皆様の中で、”あおり運転”を受けたことのある方はいらっしゃいますか?
小生は事故に発展しそうなあおり運転を受けたことはありませんが、それでも「後ろの車、近すぎ…」などと思うことは時々あります😱
ご存知のように、ここ数年TVやネットで”あおり運転”が社会問題となっていますが、おそらくあおり運転自体は昔からあったと思います。
スマホやドライブレコーダー等の記録デバイスの普及が、あおり運転という問題行為を社会問題として炙り出した…というのが実情ではないでしょうか。
それにしても煽り運転をする人の心理は常人では理解し難いものがあります。
「スピードが遅い」「車線変更」「合流トラブル」「追い越し」など理由は様々あるでしょうが、「その行為(あおり運転)」と「結果(事故・逮捕)」がおよそ釣り合うようには見えません。
冷静になれば「あおり運転は愚かな行為」と気づくはずですが、人は何故このような愚行を繰り返すのでしょうか?
そんなことを考えながら論文検索をしていたところ、あおり運転に関連する興味深い文献を発見いたしました。
この文献では運転中における”怒りの制御困難、すなわち”ロードレイジ(road rage)”について、精神医学的に解説しております。
今回はこのロードレイジに関する海外文献をもとに、”あおり運転”の心理・精神状態についてご紹介いたします(今回の記事もコンパクトです)!
【研究紹介】
<目的>
ロードレイジ(運転中の怒り)を精神疾患や心理的要因の観点から総括する。
<方法>
記載なし(少なくともシステマティックレビューではない)。
<定義>
ロードレイジ(Road Rage)の定義: ロード・レイジは、運転中に不当な挑発と認識されたことに反応して起こる思考・感情・行動である。
<結果>
以下に調査した内容を項目ごとに記載する。
1.ロードレイジの有病率: 1,395人を対象としたカナダの電話調査の結果によると、31.7%が他のドライバーに怒鳴ったり罵ったりしたと報告し、2.1%が誰かを傷つけたり車を傷つけたりすると脅迫したと報告している。
2.ロードレイジをする人の特徴: ロード・レイジを起こす人物は若年層(平均年齢33.0歳)および男性(96.6%)が多い。
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