血液型と精神医学: 精神疾患が多いのは何型か?〜海外文献の紹介〜
皆様、こんにちは!鹿冶梟介(かやほうすけ)です。
いきなりプライベートな質問ですが、皆様の血液型は何型ですか?
小生は「ずっと親から”A型"と言われ続け、医学部の実習で”O型”と判明してショックを受けた人」です…😭。
血液型(ABO式)はしばしば”性格診断”のネタにされますが、実は科学的根拠はないそうです。
そもそもABO型で性格診断をするのって、日本だけみたいですね(韓国や台湾でも信じられているようですが、日本の影響のようです)。
しかし、そうは言っても飲み会などで「私(僕)の血液型は●型です」とカミングアウトすると、「ですよねぇ〜?」とか「えぇ〜意外!」と盛り上がるのも事実。
...と言うことで、今回では皆様の"飲み会タネ”になれば幸いと思い、血液型と精神疾患に関する海外文献をご紹介します!
なお、今回紹介する論文は短いため、本記事も短いです…😅
【研究紹介】
<目的>
本研究の目的は、精神疾患とABO血液型との間に有意な関連があるかどうかを明らかにすることである。
<方法>
156人の精神科患者と303人の健康で血縁関係のない献血者(ボランティア)を対象とした。
精神科患者のサンプルはクロアチアにあるSveti Ivan精神病院の入院患者を対象とし、健常者サンプルは輸血ドナー患者のうち研究に同意した人のデータを用いた。
QIAamp DNA Blood mini QIAcubeキットを用いQIAcube装置上で血液からゲノムDNAを分離した。対立遺伝子特異的ポリメラーゼ連鎖反応分析を用いてABO対立遺伝子について判定を行った。
統計データは、SPSS statistical software, version 20.0 for Windowsを用いて分析した。得られた結果は度数とパーセンテージの形で示した。2つの研究グループ内およびグループ間(精神科患者と健常者)、また異なる精神科診断を受けた患者間における個々の血液型の違い、血液型と精神科患者のいくつかの特徴(性、精神科的遺伝、自殺傾向、身体合併症)との関連を調べるためにカイ二乗検定を用いた。統計的有意水準はp<0.05とした。
<結果>
健常者と比較して、精神疾患患者ではAB型の割合が有意に高く(χ2=9.359、df=3、p=0.025)、それに伴いA1B遺伝子型の発現率が有意に高かった(χ2=8.226、df=3、p=0.042)。
オッズ比からAB群保因者では他の血液型に比べて精神疾患の発生頻度がほぼ3倍高いことが示された。
しかし、疾患別においてはABO血液型の分布に統計学的に有意な差は認められなかった。
同様に、ABO血液型と精神科患者の他の特徴(性、精神疾患の遺伝、身体合併症、自殺傾向)との間に相関は認められなかった。
<結論>
AB型は他の血液型に比べて精神疾患である確率が有意に高かった。本研究結果は"ABO血液型と精神疾患は関連する"という仮説を支持するものである。
【鹿冶の考察】
記事作成のために、書籍や論文を購入しております。 これからもより良い記事を執筆するために、サポート頂ければ幸いです☺️