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メタル君の「今日の精神医学豆知識!」(641)-(645)
皆様、こんにちは。鹿冶梟介(かやほうすけ)です😆
言い訳をするのはよろしくありませんが、最近仕事が忙しくてなかなかnote記事を執筆する時間を作ることができません...。
小生のnote記事は、基本的には科学的エビデンスに基づくものや過去の文献をもとに執筆しているため、書き上げるのにそこそこ時間をかけております。
以前は、診療の合間に文献を読み込み、帰宅後や休日に記事を書いておりましたが、院長になってからは隙間時間や休日も病院経営や今後の医療の在り方などについて考えこむことが増えてしまいました。
院長職って診療や会議だけでなく、病院のために「考える」のも重要な仕事なんだ...、ということをあらためて痛感している次第です。
加えて最近プライベートでも予想外のことが起こり、抜き差しならぬ状況に陥りそうなので、今後noteやXなどのSNSをどのようにやっていくべきか思案している所です...。
嗚呼、人生って難しいなぁ😖!
メタル君の「今日の精神医学豆知識!」は、X(旧: twitter)で毎朝8時にアップしております。
X(旧: twitter)民の皆様も、X(旧: twitter)では語りきれなかった【メタルのおまけ】がございますので、ご興味があれば本記事を是非お読みください!
【今日の精神医学豆知識集!(その129)】
641.抗うつ剤1剤による治療反応率は50-70%と言われているよ。処方された抗うつ剤で反応がない場合他のタイプの抗うつ剤に切り替えるよ。ちなみに抗うつ剤の治療で"反応"とは、ハミルトンうつ病評価尺度で点数が50%以上減少することだよ。
【メタルのおまけ】
ハミルトンうつ病評価尺度は通称HAM-D(ハム・ディー)と呼ばれる客観的うつ病評価尺度だよ。専門家が患者さんと面接しながらスコアしていくタイプの評価尺度なんだ。質問は抑うつ、罪悪感、自殺念慮、入眠障害など17項目から構成されてるよ。ちなみに保険適応もある検査方法なんだよ(80点)。
↓ハムと聞くと、やっぱりハムを連想しますね😋
642.うつ病患者さんが治療開始から早期に内服をやめると再発のリスクが高まるよ。寛解後26週間は抗うつ剤内服継続による予防効果が認められているから、ガイドライン上は半年は急性期と同量の抗うつ剤を飲んだ方がよいとされているよ。
【メタルのおまけ】
研究にもよるけど、うつ病は回復後に維持療法をしないと6割近くの患者さんが再発するんだよ。「もう治ったから大丈夫!」と思って治療をやめるとちょっとしたストレスでうつ状態に逆戻りしちゃうんだ。これは骨折した場所が再度骨折しやすいのと同じだね。
↓骨密度が気になる方はこれを!
643.うつ病の再発を繰り返す場合は、抗うつ剤を1-3年間は急性期と同量の抗うつ剤を内服した方が再発予防になるそうだよ。だからガイドラインでは再発例では2年以上抗うつ剤の内服を続けた方が良いってさ。
【メタルのおまけ】
初発のうつ病については寛解後半年ぐらいの維持療法でよいけど、うつ病を繰り返す人はより長期の維持療法を要するってことだね。ちなみにちょっと昔の論文だけど、再発を繰り返すうつ病患者さんにセルトラリン50mg/dayとプラセボのどちらかを投与した場合、1年半後の再発率はセルトラリン群で17%、プラセボ群で33%だって(Lepine JP et al., Am J Psychiatry, 2004)。
↓以前もご紹介しましたが、プラセボ薬って販売されているんですよ!
644.うつ状態から回復し十分な期間治療を受けたら抗うつ剤の減薬を考えても良いと思うよ。ただし急にやめると離脱症状(めまい、頭痛、耳鳴り、しびれ、ソワソワ、不眠など)が生じるから主治医と相談してゆっくり減らそうね。
【メタルのおまけ】
抗うつ剤の離脱症状で有名なのはパロキセチン(パキシル)が有名だね。離脱症状を経験した患者さんは「シャンシャン、ビリビリする」と訴えることから俗に「シャンビリ」と呼ばれるよ。
↓シャンシャンといえば、パンダですよね!
645.抗うつ薬を減薬したときに離脱症状が出た場合、一度元の量にもどしてから再度ゆっくり減らすよ。抗うつ剤から卒業できると思っていたのに...とガッカリする患者さんもいるけど主治医の先生とよく話し合い計画的に減薬すればいつかは卒業できるよ(自分と先生を信じてね)。
【メタルのおまけ】
...とは言え、減薬を希望しても精神科のドクターの中には「とりあえず同じお薬を出しときますね」と減薬に応じない先生もいるね。これは、患者さんの病質や生活状況を加味して治療継続が望ましいと判断する場合と、診療時間が短くてお薬出しマシーンになっている場合があるね。前者の場合は、きちんと説明を求めれば丁寧に説明してくれるだろうけど、後者の場合はきっと不機嫌になるよ。
↓お薬出しマシーンは、キラーマシンよりも厄介です。
【メタル君の考察】
今回は「抗うつ薬による治療」に関してツイートしたよ!
抗うつ剤は一般的には飲んですぐ効くような薬ではなく、飲み始めから10日から2週ぐらいで効果が現れ始め、数か月単位でうつ症状を改善していくんだよ。
内服してもスカッとよくなる薬ではないから、「あまり効果がないから...」と思って内服を勝手に中断すると再発や離脱症状に苦しむことになるから注意が必要だよ。
最後のポストでも書いたけど、主治医の先生と自分を信じてゆっくり減らしていくことが結局はお薬から卒業する一番の近道だとおもうよ。
これからもマニアックな精神医学ネタをモリモリ紹介するぞ😆
↓今年の夏はこの虫籠をもって、カブトムシをとりに行きたいです!
【X(Twitter)】
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— 精神科医・鹿冶梟介(かやほうすけ) (@kayahosuke) March 22, 2022
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