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2022: Album Of The Year

2022: Album Of The Year💫対象💫 2021年1月~2021年11月までにリリースされたアルバム、EPのうち、最低1回は聴き通したもの。 💫基準💫 1. 作品として優れていると感じること 2. 大きな影響力を持っている/持つべき作品であること 3. 純粋に自分がその作品を好きだということ 10.いよわ / わたしのヘリテージ 整頓された混沌  2018年頃から活動を続ける、ボカロP・いよわの2枚目のフルアルバム。  確かな音楽的素養と突拍子のないアイ

    • ソー: ラブ&サンダー (2022)

      ※ネタバレ有 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーと早々に別れてしまうので(彼らとの軽快なやりとりが楽しかったのに…) 今作はフェーズ4以降では珍しく、他作品とのクロスオーバーがない純度の高いソーの物語であり、内容も恋愛&バトルのかなりシンプルな構成となっている。 一方で、ソーが痛めた心と向き合うという意味では今作のテーマも変わらず「メンタルヘルス」であり、一度前に進むことをやめた彼が再び歩き出すきっかけを見出すという「再スタートの物語」でもあるので、フェーズ4の流れはしっ

      • リコリス・ピザ (2021)

        眺めて、委ねて、想い馳せる作品。 ストーリーに大きな流れがあるわけではないものの、若さが全てを先行するエネルギッシュでだいぶ捻れたキャラクターたちが大変魅力的で、73年のサンフェルナンド・バレーの街並みに没入させてくれる。 「アメリカン・グラフィティ」が一つリファレンスにあるようだが、まさにその系譜にあると言えるだろう。 映画を一言で表現すると「ボーイ・ミーツ・ガール」ものではあるものの、男15歳、女25歳と年齢が大きく離れた青春恋愛映画(しかもかなり対等な関係性を築く)

        • TELL ME hideと見た景色 (2022)

          「伝説」は語り継ぐものがいてからこそ生まれるもの。 これはhideという天才の意志を後世に遺し続けようとする人々の物語である。 すごく期待していたわけではなかったものの、個人的には予想をはるかに上回った出来だった。 あくまで「実話に基づいたフィクション」なので脚色や現実との正誤については触れないが、 俳優陣はみな役に対するリスペクトと熱意を感じられ、そこはとても好感を持った。 カット割やカメラワークは典型的な邦画のそれなので特筆すべきところはない。 そういう見方で観る映画

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        2022: Album Of The Year

          トップガン マーヴェリック (2022)

          「映画ってやっぱり最高!」 この一言に尽きる。 今作は古き良き時代を懐古する作品でもあるし、新しい時代の到来を受け入れている作品でもある。 無人飛行が可能な時代にF-14/18に乗って飛行する無謀さはそのまま、グリーンバックで殆どの舞台を再現できる時代に本物を用いて撮影する異様さに結びつく。 (基本的にこのトップガン マーヴェリックは全てにおいて「イカれた」作品である) 一方でテクノロジーの発達を批判、揶揄している訳でもなく、むしろいずれマーヴェリックの腕が不要になる未来

          トップガン マーヴェリック (2022)

          エルヴィス (2022)

          世界で最も成功したミュージシャン・エルヴィスの幼少期から死ぬまでの42年間を駆け抜ける作品。 バズ・ラーマンによるエキセントリックな映像と史実に基づいた伝記映画はどうも食い合わせが悪いように思えるが、狂乱の音楽ビジネスのカオスさとマッチしてむしろかなり馴染みが良い。 エルヴィスが世界で具体的にどれくらい成功を収めてどれくらい社会現象を起こしたかというところは、実はこの映画だけではよく分からない。 50年代の革命的な登場と、60年代後半のカムバックとではエルヴィスの立ち位置も

          エルヴィス (2022)

          ベルファスト (2021)

          北アイルランドをめぐる紛争に揺れるベルファストが舞台。 この北アイルランド問題は現代まで解決しきれておらず非常に根深いものなのだが、本作では歴史の経緯や今何が起こっているのかといったところには細かく触れられない。 何が原因でそうなって、何故いがみ合っているのかも読み取れず、よく分からないままに日常が壊れていく。 歴史的事件が起きても、その渦中にいる人々にとってはそれも日常の延長であり、生活の一部である。 英愛の長い紛争の歴史も、わずか9歳のバディには知ったことではないし、

          ベルファスト (2021)

          スパークス・ブラザーズ (2021)

          カルト的側面とポピュラーバンドとしての側面も持ち合わせた唯一無二の存在・スパークス。 スパークスだけだとハイコンテクストになりがちな要素を、エドガー・ライトが良い意味での大衆感覚を以て初めて見る人にも理解できるように落とし込んでいて、ものすごく見やすい。 夥しい数の過去のフィルムが作品の随所にインサートされるところをみても、かなりの映画/音楽ヲタクの彼らが相当意気投合したんだろうということが窺える。 バンドのイントロデュース的役割を担いつつも、マニアやファンへの目配せもバ

          スパークス・ブラザーズ (2021)

          アネット (2021)

          作品としては大好きだ。愛おしいという気持ちすらある。でも、評価となると「?」となってしまう奇妙さ。 ミュージカル映画は一般的に、冒頭シーンが極めて重要である。 そういう意味では「アネット」は、少なく見積もっても90点は与えても申し分ないオープニングだ。 今から何が始まるのか?このメタ演出の意味は?膨らむ期待と、スパークス節炸裂のリリック/ミュージック。これはワクワクするぞ! ただ、始まってみると…なぜか全く話についていけない。これは何なんだろう、何を見せられているんだろう

          アネット (2021)

          シン・ウルトラマン (2022)

          「ウルトラマンでこういう画を撮りたくてそこはめっちゃこだわりたいんで、あとはその予算と収益を引っ張れるいい感じの役者と主題歌手配しといてください」 …とは流石に発注してないとは思うが、役者探しにリソースを割くくらいなら他にもっとこだわりたいところがあるんだと言わんばかりの、とにかく「撮りたい画」ファーストさがヒシヒシと伝わってくる映画である。 「ウルトラマン」ではなく「シン・シリーズ」として何か求めるものがあるユーザーにとっては肩透かしを食らうだろう。 そもそも米津の荘厳

          シン・ウルトラマン (2022)

          モービウス (2022)

          主人公の絶大な力とそれに伴う苦悩や代償、愛する人、友情、大事な人、派手なアクションにCG技術…モービウスには、スーパーヒーロー映画に求められる要素が詰まっている。 でも、「それだけ?」と思う自分がいた。 これがMCUだと、直近だけでもブラック・ウィドウの血を越えた家族の絆、エターナルズのナチュラルな多様性と環境問題への警鐘、そしてNWHの映画史を塗り替える衝撃と、(必ずしも全て成功しているとは言えないが)ヒーローものの面白さとは別途に「この時代にそれを産み出す意味性」が付

          モービウス (2022)

          ピースメイカー (2022)

          OPだけで完璧にこのドラマのノリを理解できる。最高。 ジェームズ・ガンの音楽ヲタクっぷりと使い方の巧みさには感心させられる。 今回の選曲テーマ/ハードロックは、マスキュリンな白人たちによって発展したカルチャーと言えるが、白人/男性至上主義の過去を再定義している現代においてはなんとなく居心地の悪い立場にある。 ジェームズ・ガンはそんなハードロックを「差別的な筋肉質の白人男性(ピースメイカー)のテーマ」にすることで批評的視点を持たせつつ、音楽の使い方としてはリスペクトを示した

          ピースメイカー (2022)

          ムーンナイト (2022)

          本作では主に二つの軸で物語が動く。 一つは、罪を犯す前の人間を裁くことの是非の戦い。 エジプトが舞台なので全体的に砂漠色なのだが、DUNEやSWのような広大さや、最近よく扱われる西部劇の感じではなく インディージョーンズなどに見られるようなギミック多めの、アドベンチャー色強い演出が特徴的である。 MCUの他作品との関連性がほとんど見られないストーリーになっていて、元ネタや過去作のことを深く考える必要がないのも、ここまで複雑化したMCUにとっては良いポイントになっていると思う

          ムーンナイト (2022)

          セヴェランス / Severance (2022)

          仕事は苦痛で、プライベートは楽しい。そういう人にオススメなのがルーモン社です。 仕事はInnie(...別人格とでも言いましょうか)が行ってくれて、Outie(それでは、こちらを主人格としましょう)は永遠に自分の時間が続きます。仕事でどんなに辛いことがあってもプライベートの時間に引きずりません。仮にInnieが何かやらかしても、Outieには様々な保障が用意されています。 一日が実質15時間ちょっとしかないのが難点ですが、そういう意味では毎日24時間も必要ない、耐えられな

          セヴェランス / Severance (2022)

          ミズ・マーベル(2022)

          最強の愛されスーパーヒーローの誕生! オリジンならではの「ヒーローのアイデンティティをめぐる物語」に「ルーツ(出自)の物語」がリンクするという、重層的なテーマを描く。 パレスチナ問題に関してはどうしても説明的なシーンが多くなってしまうが、きちんと歴史を紐解きつつ、エンタメ色の高さはしっかり保持できている。 ヒーローの存在が日常に馴染んでいるティーンの感覚が面白い。 思えばアベンジャーズ計画が始動したのも15年前とかになりそうなわけで、物心ついたときにはヒーローが活躍してい

          ミズ・マーベル(2022)

          ストレンジャー・シングス 未知の世界 シーズン4(2022)

          Come crawling faster, Obey your master シナリオ、映像、演出全てに凄まじい力の入りよう。更に全話1時間以上あるので、毎回大作映画を観ているような感覚。 80年代オマージュやコミカルな部分が減少しシリアスな展開が中心になるので観る側の体力も要するが、 ドラマという形式を活かしたクリフハンガーの連続でつい次の回へと進んでしまう、そんな強烈な魅力を放ったシーズン。 エル以外はみんなサバイバル能力も特にない一般人がゆえ常に圧倒的劣勢を強いられ

          ストレンジャー・シングス 未知の世界 シーズン4(2022)