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可能なら、1日に「静」と「動」の時間を作ろう
1日のうちで全く運動をしないのは不健康だと言われている。なぜなら、至極当然に、人はかつてのように運動しなくなったからだ。現代社会では多くの物事が便利に自動化・効率化される一方で、人は自ら動くということを減らしてきてしまった。その弊害で様々な健康リスクも叫ばれるようになったところ、やはり、運動は大事なのだと改めて言われている。
だが、1つ重要なのは、本当に私たちを健康にしてくれるのは、運動ではないということである。正確には「運動だけ」ではない。
運動不足の現代人にとって、体を動かすことは、足りてないのだから必須のことである。1日に全くそれをしないのと、するのとでは確かに健康に違いが出るだろう。でも、真に健康を手に入れるためには、運動を「する」ばかりではなく、その上で運動を「しない」ということも取り入れていかなければならないのだ。
たとえば、「瞑想」「マインドフルネス」などと言われて実践が進められているように、私たちには動的な時間とは対称の、静的な時間が必要だ。なぜならそれは、外にばかり向けられてしまう目を、内に向ける貴重な方法だからである。
人は、他者とかかわりながら生きているばかりではなく、自分としての存在を確立して生きている。そして、それが崩れてしまうのは、すなわち自我の崩壊だ。心は荒み、正解がわからなくなり、希望も欲望も持てない機械となる。そうならないために、外に向きがちな私たちの目に、己という内側を思い出させねばならないのである。
だから、大切にすべきなのが、「静」の時間なのだ。これは「動」の時間では手に入らない、精神の健康をもたらしてくれる。
身体の健康と精神の健康をバランス良く育むことこそ、人間としての真の健康と言える。だから、どちらかだけに偏ってはならないのだ。あるいは、どちらかだけを重要だと思いこんではならない。
今、世間的には運動することが健康にとって第一かのように思われているが、しかし、重要なのはバランスである。むしろ私たちは、精神の健康を疎かにしがちだから、もっと「静」の時間を、そして願わくば静と動とのバランスのとれた日々を過ごすことが求められる。
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