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今回のおすすめ本 ヘンリー・D・ソロー『ウォールデン 森の生活』

みなさんこんばんは📚
今回おすすめするのは、ヘンリー・D・ソロー『ウォールデン 森の生活』という本です!


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 本作は、ソローが1845年にウォールデン湖畔森の中に丸太で家を建て、自給自足生活を2年2か月間ほど送った時の出来事を綴った日記をもとに構成されています。


 ソローは当時のアメリカで行われていた奴隷制度への反対、メキシコ戦争への反対など、資本主義経済が膨張していく中で対面せざるを得なかった問題に対して独自の思想を打ち出していきました。ソローの思想はその後、トルストイ、ガンジー、マーティン・ルーサー・キング牧師など反戦運動や公民権運動を展開した名だたる指導者たちに多大なる影響を及ぼし、思想的支えとなっていきました。


 ソローが始めたウォールデン湖畔での生活は、自然の中に身を置きながら「我々はいかに生きるべきか」に焦点を当て一つの答えを出したものとなります。ソローは8畳ほどの家を自ら建設し、内壁を漆喰塗りに、暖炉とテーブルとベッドを取り付けていきます。現在で言うと少し広めのワンルームと言ったところでしょうか。この家でソローは悠々自適の生活を送っていきます。当時は冷蔵庫も電子レンジも普及していませんし、コンビニもあるわけではありません。ソローは生活に必要な衣食住を自給自足で拵えていきます。その生活の内容を本書で詳らかにしていますが、その内実はシンプルな暮らしをする「シンプリスト」と呼ぶに相応しいものとなっています。日本で言うと鴨長明や松尾芭蕉のような古人に似た印象を受けます。
※ミニマリストは最小限のもので暮らす人を指すため、ソローの生活とは異なると思われます。混同しやすいと思いますので、念のため。


 本書で綴られているソローの生活は、人間と自然との触れ合いが多くみられます。現代のような発達した街に身を置く僕たちにとって、自然を日常的に感じることは都会暮らしの人ほど難しくなっています。これまでにも自然を謳うことは多々ありましたが、近年では2015年に『ゆるキャン△』がブームとなって以来、アウトドアが再注目されています。学校でも遠足をはじめとして、林間学校や臨海学校など自然と触れ合う体験活動が行われていますが、人間にとって自然は重要だということを多くの人は理解している故に教育活動にも反映されているのでしょう。


 現代人にとって自然は娯楽としてたまに触れ合うものとなってしまっています。ソローは毎日4時間ほど森の中を歩いたりカヌーをしたり森の生活を満喫していたようです。ソローのような生活を送ることは現実的ではありませんし、それが万人にとって正しいとも思えません。しかし、日本では自然災害が毎年のように起こっていますし、今後も向き合っていく必要があるところだと思います。本書を契機として自然との関わり方を考えてみてはいかがでしょうか。


ぜひ本書をお手にとって読んでみてください☕️

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