今回のおすすめ本 喜多川泰『賢者の書(新装版)』
みなさんこんばんは📚
今回おすすめするのは、『賢者の書(新装版)』という本です!
本作の主人公は50歳前後の会社員であるアレックス。アレックスは妻と二人の子どもと暮らしていますが、会社からクビにされそうな現状にあります。家族を養うことやローンがあることを理由に最後まで勤務することを決めて日々働くアレックスですが、精神的に限界が来たのか「一人になれる場所」を求めて故郷に向かいます。故郷に着いたアレックスはある公園に行き、ベンチに腰掛けます。そこに少年がやってくるのでした。
この少年の名前はサイード。サイードは「最後の賢者」を求めてやってきたことを明かします。アレックスは自分が賢者ではないことをサイードに伝えると、サイードは賢者を求めて旅をし、すでに八人の賢者と出会ったことを明かします。そしてその旅の記録は一つの本『賢者の書』に記されていると言います。アレックスはサイードが持っていた『賢者の書』を貸してもらい、読むことになります。本書のメインはこの『賢者の書』になります。じっくり読んでみてください☕️
読後感想
本書には以前紹介したパウロ・コエーリョ『アルケミスト』に記されているような記述が見られます。他の書籍でも似たような話を読んだことがあるので、おそらくみなさんも聞いたことがあるものが多いと思います。これは他人や次の世代に伝えるべき人生の本質が、複雑なものではなく「いかにシンプルか」を伝えようとしているからだと思います。
例えば他人に「ありがとう」と言うことは良いことであると多くの人は知っているはずですが、実際に伝えている人はどのくらいいるのでしょうか。相手が自分が好意を持っている人からの言動に対しての感謝を口にできたとしても、嫌いな人・苦手な人に対しては感謝を口にできない人もいると思います。また、口にできたとしても感情がこもっていないこともあるでしょう。
この一つの例を取ってみても、シンプルなことでも実際にするかは難しく、継続的に生涯を通してできる人はほとんどいないのでしょう。僕自身、本書に書かれているようなことを実践できていることの方が珍しいと感じます。しかし、できていないことに気づき改善しようと行動する自分がいることも確かだと思っています。この「気づく」ことは、ただ生きているだけでは時間がかかりすぎてしまうと思います。人生における人間関係の本質は、基本的に他人との軋轢によって身についていくものだと思います。しかし、わざわざ傷つけ傷つかなくとも本を通して手に入れて実生活で深めていくことはできるのではないでしょうか。本書がその一歩になると思います。
ぜひお手に取って読んでみてください☕️