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今回のおすすめ本 ルクレーティウス『物の本質について』

みなさんこんばんは📚
今回おすすめするのは、ルクレーティウス『物の本質について』という本です!


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 本作品は、ローマの詩人・哲学者ルクレーティウスによってエピクロス哲学の原子論的自然観を詳述したものです。現代の知識からすると、森羅万象は人間の目に見えないほど微小の物質が集合してできていることを誰しも知っています。これは原子論という考え方になりますが、20世紀初めほどまで反対していた科学者がいたとされています。原子論は人類にとってごく最近認められたものといえます。そんな現在から2000年も前に生きたルクレーティウスがどのような原子論を展開していったのか、本作で明かされていきます。


 彼が生きた時代より前にはギリシア自然哲学者によって、さまざまな思考がなされてきました。特に「万物の根源は何か」ということについて盛んに思考されていました。有名なところでは、タレスが水を、ヘラクレイトスが火を、エンペドクレスが四元素(火、水、空気、土)を、デモクリトスが原子(物体+空虚)を、それぞれ根源に据えています。彼らの考えはアニメやゲームなどのファンタジーによく取り入れられています。特に四元素の考え方は理解しやすく、世界観に没入させる効果も高いのではないでしょうか。


 ルクレーティウスが所属しているエピクロス派の創始者であるエピクロスに影響を与えたのが、デモクリトスになります。エピクロスの思想では「何も無いものからは何も生じない」というものが根底にあります。その思想を受け継いだルクレーティウスは、「人は死ぬと原子に分解され、肉体も精神もなくなり、死後は存在しない」という結論を出します。これは突き詰めると神々を否定することになりますが、ルクレーティウスは人間は目に見えない自然現象に神々の干渉を見出したために不幸になったと考えていたようなので、神々を否定することは予定調和だったのかもしれません。


 ルクレーティウスが生きた時代には現代のような優れた顕微鏡も存在していません。現代でも人間の目には見えない物がたくさんあります。僕たちは知識として原子や分子、微生物などを知ってはいますが「肉眼で見たことはない」ものは数えきれないほど多くあります。知識レベルでは多くのものを知っている現代人ですが、視覚情報レベルではルクレーティウスが生きた時代とさほど変わりがないはずです。そんなルクレーティウスが目に見えない物をどのように考え説いていたのか、ぜひお手にとって読んでみてください☕️


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