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今回のおすすめ本 標野凪「いつだって喫茶ドードーでひとやすみ。」


みなさんこんばんは📚
今回おすすめするのは、標野凪『いつだって喫茶ドードーでひとやすみ。』という本です!

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 本作の主人公はある街の奥にひっそりと佇む小さなカフェ〈喫茶ドードー〉の店主「そろり」。このお店のコンセプトは「おひとりさま専用カフェ」。彼のもとには日常生活で疲れたお客が訪れていきます。そこでそろりはアドバイスを行なっていくのでした。


 時代の移り変わりが激しい現代社会では、さまざまな価値観が現出しています。中には自分の感性とは全く異なったものもあるでしょう。時には、他者の価値観ばかりが優先され自分の価値観が蔑ろにされてしまう、なんていうことも珍しくないものになっています。ささいなすれ違いが大きな問題に発展してしまう(さらには悪化するのはかつてないほど速くなっているのではないでしょうか)現代は、あれこれと気を遣わなければならないため、人間関係の悩みが尽きることがなくなっています。本作では、前述したような息苦しい日々を送る登場人物たちが喫茶ドードーに立ち寄って一息ついているところが描かれています。登場人物たちと一緒に極上のひと時を味わってください。

ぜひお手に取ってお読みください☕️


読後感想

 本作はシリーズ第3弾目の作品となっています。これまでのシリーズよりも群像劇の要素が強くなっている印象を受けました。

 現実にいる僕たちも、喫茶ドードーのような息抜きのできる時間・空間を確保することが大事だと感じます。そうした貴重なところでは自分の大事にしたい価値観や自分の存在そのものを大切に扱うことが重要だと思います。

 よく「命は尊い」と言われますが、これは命が自動的に尊ばれるものではないことを僕たちは知っています。ただ生きているだけでは生きていくことはできませんし、四六時中他者が自分を尊い存在として扱ってくれることは基本的にないでしょう(逆も然りだと思います)。命は自動的に尊いものではなく、簡単に無くなってしまう・蔑ろにされてしまうものだからこそ、意識的に尊いものとして扱うことが重要なのではないでしょうか。

 日々の生活の中で他者と比較するのではなく、自分を労ってあげる場所を作ってあげることがまず自分を大事にする第一歩となると思います。そして、そうした場所に本作のような書物は読者の悩みに寄り添い、自分なりの答えを出していくきっかけになるはずです。

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