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「つまらない」と感じる原因は「知らない」から発生している


「未知のジャンルでも本を10冊読めば大枠を掴むことができる」
数年前だろうか、上司からそう教わって以来、「つまらない」「興味ない」の判断は本を10冊読んでからすることにしている。

その習慣をつづけていると、面白いことがわかった。
「つまらない」と感じる原因は「知らない」から発生していることがほとんどで、
10冊分の知識をインストールしてそれでも「つまらない」と感じることはほぼない、ということだ。

たとえば、ライティング・ゼミの受講生さんにも
「まったく興味のない分野について書かなきゃいけないときはどうしたらいいでしょう?」
という質問をされることが多いけれども、いつも
「本を10冊読めば解決します」
と答えるようにしている。

信じられないかもしれないけれど本当にそうで、
たとえば、以前「著作権」について勉強しなきゃいけない機会がやってきたとき、
私は法律について興味を持ったことなんて一度もなかったから、
どうしたもんかと困っていたのだけれど、
とりあえず本論を突いているであろう本を10冊ピックアップして読み込んだら、
めちゃくちゃ面白くなった。

なんというか、知識が「上滑り」している感覚がなくなってきて、
知識に「体温」がともるのだ。
だんだんと、生身の人間がそこにいるようなあたたかさを感じるようになってくるのである。

そういう経験が何度もあるから、もしかして
「苦手」「弱点」という判断も、
ある程度続けてから判断してもいいんじゃないか、と思うようになった。

とくに仕事やスキルアップにおいては、
「私はこれ苦手だから」とか
「私の弱点ってここなのよね」とか
判断しがちだけれど、
そんなこと言ったら私は100人の前でしゃべるとか苦手でしょうがないし、
頭の回転が遅いから、マーケティング戦略を考えるのも下手くそだと思う。
漢字の読み書きとか受験生のとき超苦手だったし、センター試験で一番点数が低かったのは現代文だ。だから、本当なら文章を書くのだって得意なわけじゃないのだ。

たぶん、周りに「やれ」と言われなかったら絶対挑戦しなかったであろうことが、私にはたくさんある。
でも、続けてたらできるようになった。
逆に、続けてそれでもできなかったことってほんの一握りで、
「あ、やってみたら意外とできたわ」ってことのほうがずっと多い。

そう考えると、いまできなくて苦しんでいることも、
「苦手だから別の得意を探そうかな」と思っていることも、
もしかしたら、続けていたら私の「得意」や「才能」になるかもしれないし
「もっと他に向いてること探そ」ってすぐに判断するよりも
気が済むまで続けてから判断してもいいのかもしれない。

もちろん、時間は有限だから、
わざわざ興味ないことに時間投資するほうがもったいない、
という意見もわかるけれど、
もしよく知りもせずに判断した「苦手」のなかに
私の「好き」や「才能」が埋もれているのだとしたら
私は簡単に諦めたくはない、と思う。

弱点だと思う部分があるのなら、克服する努力をしてからやめる判断をしても、遅くはない。

「つまらない」と「知らない」は違うのだ。
人生は努力と知識次第でいくらでも面白くできる。

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