扇風機を止めるこども『教えから学びへ――教育にとって一番大切なこと』刊行記念オンラインイベント 汐見稔幸(教育学者)×西研(哲学者)
わが子が扇風機の前に座っている。
羽の中心を押さえて羽を止めた。
しばらくして煙が出て扇風機が壊れた。
あなたはどうする?
教育学者、汐見稔幸さんのお気に入りのエピソードです。
教育学者の汐見稔幸さんの新著『教えから学びへ――教育にとって一番大切なこと』の刊行記念イベントを視聴したので、少しレポートします(有料イベントなので…)。聞き手は『幸せの哲学』の著者、哲学者の西研さんです。
こどもはなぜ扇風機の羽を止めたのか?
「学びとは何か?」という新著のテーマにつながるこの話。
扇風機からなぜ風が出てくるのか?と、こどもは思ったのでしょう。自ら疑問をもち、調べようとした。
煙を出す扇風機をみて「なにやってんの!」ではなく、「どうして煙が出たんだろうね?」と笑って一緒に調べるのが「学ぶ」環境です。
もちろん、危ない!と慌てて消火すると思います。
教えすぎると、自ら見出す力「センス」を阻害してしまうわけです。
一方、自分の「センス」だけで押しいくと孤独になってしまうので、社会で許容させるラインを探ります。
そういう「学び」の環境を作っていきたいです。
もうひとつ面白かったのが授業の変化。
普通の授業と面白い授業
みんなが知らないことをみんなで調べる、って面白い。
面白い授業を行っている学校では、みんなで取り組みます。取り組みを通して他者とバランスのとれる「センス」に気づいていくのでしょう。
最後に教え方の変化。
多様化する社会で教え方はどうなるか
日本でも新しい教育の場が生まれています。
新しいタイプの学校を作ろうとしたかたが、役所で反対されると思ったら「どうぞやってください」と応援されたのだそうです。
多様化する社会で教え方が一つだけというのはおかしい
もうわかってるんでしょうね。だからといって、一気に変えるのは難しい。でもきっと変わっていく、そんな気持ちになるイベントでした。
なお、我が家が最初に読んだ子育て本が汐見稔幸さんの著書。以来、我が家は汐見先生ファンです。
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