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川野三郎
2022年2月13日 17:17
過日「実存」について書いた。そこではいかに生きるべきかを考えたが、自らの実存には、その終幕である「死」がついてまわる以上は、それを語らぬ実存論など片手落ちであったかもしれない。しかしこの世に生きる人間は、誰一人として死を体験したことはないのである。なぜなら死んでしまった人間は、もうこの世にはいないのだから。どんなに死に接近した体験であっても、それは死そのものではないし、ましてや死後の世界というもの
2022年2月3日 18:18
なぜ生きるのか。なんのために生きるのか。こんな問いかけは、不粋というものであろうか。しかし人とは、自らの「実存」について、自らに問うてしまう存在である。とりわけそれまでの生き方が、何かの壁にぶつかったように感じられる、そんなときには。「人間」という言葉によくあらわれているように、人とは「人の間」に生きる存在である。人と人との関係性の網の目のうちに、すくいとられた存在である。その他者との関係が不調を