皆様のいいねを励みに、先月もめでたく一日一首(あるいはもっと)投稿することができました。自選秀歌にまとめましたので、ご笑覧ください。 文芸活動に傾注するようになってから、自分でも勉強かねていろいろ読むように心がけてますけれども、その甲斐あってか、それとも副作用というべきか、なにかと下敷きのある作品が増えてきました。詞書きてきなコメントやタグなどでネタバレするように心がけてはいますが、そこまでしていなかったものは、ここで補足しておきます。「閑雅なカフェ」(8)は、萩原朔太郎で
意識の深淵に
とほい追憶
いつかどこかで
射手のごとく
春はとほく
病床より
死のあるシーン
こころざし
戦ののち
秋の風物
ある願い
私にとって、人生とは旅である。どこへともなくさすらってゆく。それをあべこべに言えば、旅とはまた、ちょっとした人生ということにもなろうか。歩を進めるごとにうつろってゆく眼前の光景、すれ違っては遠ざかってゆく幾多の人の影、そして旅から帰ってきた私は、もはや旅に出るまえの私と同じではないということも。ともあれ先だって私は、ところによっては懐かしくもある常陸路をたどり、そして帰ってきた。天候不順のおり、晴天に恵まれたのは幸いであった。 この連作には副題として「アララギてき」と銘うっ
監視社会
冬の風物
傍観者より